集団的自衛権行使容認は議論をつくせ

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 9

政府による7月1日の集団的自衛権行使容認の閣議決定について、私のコメントは、以下のとおりです。

今回の憲法解釈変更は、戦後のわが国の安全保障を形作ってきた大方針の転換、いわば戦略の変更です。こうした大きな意味を持つ政策の転換を長時間の国会審議なくして行うことは、政策決定過程としてあきらかに問題があります。

たとえば各年度の予算案についても、毎年、予算委員会で衆参あわせて百時間以上もかけて審議します。今回はどうでしょうか。専門の委員会を立ち上げじっくりと審議すべきでした。こうした国会での審議を飛ばして閣議決定したことはあきらかに拙速です。

民主党のこの問題に対するスタンスは「集団的自衛権を無限定で行使することには反対する」というものです。

民主党海江田万里代表は先日6月11日の安倍総理との党首討論で次のように発言しています。

『集団的自衛権の行使については、これまで長年にわたる憲法解釈がありますから、この解釈を正面から否定して集団的自衛権の行使一般を容認する変更は許されないということであります。』
『もちろん、今の東アジア、十年前、二十年前と大きく状況が変わってきています。日本の国土、領海、領空を守るために、しっかりとした体制を整えなければならないということは言うまでもありません。そのために、グレーゾーンとか言われております、あるいはマイナー自衛権などと言われています我が国の防衛の法整備に裂け目があってはいけません。これに対しては、しっかりとした対応をやってまいります。』

しかし、政府与党がどれだけ真摯な議論をしたのでしょうか。なぜ集団的自衛権行使が必要になるのか、また、海江田代表が党首討論で安倍総理に

『安倍総理、私は、集団的自衛権を本当に行使をしたいとお考えならば、それはまず、憲法改正の可能性、憲法改正の申出をするべきじゃありませんか。』

と問いかけたように、なぜ憲法改正によらないのか。国民への説明は足らず、理解は得られてはいません。

かつて、中国が経済的に豊かになれば、他国との相互依存が進み、政治的、軍事的に温和な行動をとるようになり、東アジアでの軍事的緊張は和らぐだろうという考え方がありました。しかし現実には、経済成長により得た財力を軍事拡張にまわし、大海軍を建設し、ベトナム、フィリピン、マレーシアなど周辺の小国を武力で威嚇して南シナ海の島々を自分の手に収めようとしています。東シナ海の尖閣諸島周辺には中国公船がひっきりなしに徘徊しています。外交上のリベラリズムは現実の前に敗北しました。また北朝鮮は核開発を進め、長距離ミサイルの実験に余念がありません。

このような周辺諸国の動向、また米軍の東アジアでのプレゼンス縮小の中での抑止力のあり方などについてこれから国会で審議する必要があります。個別的自衛権や警察権の拡大での対応というまにあわせは将来に禍根を残します。

じっくり時間をかけた審議を踏まえて、単なる個別15事例の検討だけではなく、安全保障基本法のような形式で、どういう場合には集団的自衛権を行使し、どういう場合は行使しないのか、また、地域的な制約などをはじめとする原理原則を、国民や米国をはじめとする国際社会の誰の目にも明らかにすることが必要だと考えます。

この問題については、これからもどのように考えるのか発信を続けたいと思います。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする