私が野党の党首ならこんな経済政策を掲げます

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 何回もツイッターなどで書いていますが、私は今回の衆議院議員選挙には立候補しません。しかし、もし今このタイミングで野党の党首だったらどういう経済政策を掲げるだろうかというのは頭の体操としてとても興味深い問いだと思います。

 アベノミクスとどう対峙するのか、希望の党や立憲民主党をはじめとする各野党はどうすべきでしょうか。文中にも書きましたが雇用や日銀関係などのデータをしっかりと見れば完全に否定することは不可能でしょう。では「お前だったらどうするのか」という疑問に答えたのがこの文章です。

 一言で言えば、『金融緩和については拡充。財政政策については緊縮政策を離れる。成長戦略については金融緩和の果実を利用する』というスタンスであるべきではないかと考えます。

 これ以外にもさまざまな経済政策がありえますが、正しいマクロ経済政策の枠組みの中でないと、それひとつで見ればどんなにすばらしい政策でも有害となる可能性すらあります。一分野では適切な政策をたくさん束ねても、全体としてみた場合、最適になるとは決して限りません。これに加えて世論受けや他党との関係での政治的な実現可能性まで考えなければなりませんから、政策決定は簡単なものではありません。

 また、これ以外でもマクロ経済政策に関心がある政党がありましたら、いくらでも政策作りのお手伝いをいたします。どうぞご連絡ください。公認をよこせなどとは絶対に申しません(笑)なお【】内は注釈です。


「ふつうの人から豊かになろう!」

【注:これは昨年の私の参議院選挙でのと同じキャッチフレーズです。】

「景気回復によるたくましい雇用の創出」をめざす。

これまでは企業の意見ばかりが政策に反映されてきました。これからはわれわれサラリーマン・消費者の意見を反映させる番です。今、必要なのは増税ではありません。経済を回復させて、将来も安定して働ける職場を増やし、家計の赤字を黒字に変える経済政策が必要です。

以下、われわれが安心して生活できる社会の実現をめざして、限られた予算をどう振り分けるべきか提案します。

【注:政策を実際にひとことでまとめるのは難しいので、ここでは「雇用」を取り上げましたが、別な言い方もあるでしょう。】

1.「国民のための金融緩和」を推進

アベノミクスでの金融緩和は輸出ができる大企業には大きなメリットがありました。その結果、失業率低下、有効求人倍率の大幅な改善などが達成されました。しかし、同時に起きた家計に与えた円安のデメリットを完全に補うまでにはいきませんでした。世界的な標準である物価安定目標2%もいまだに達成されていません。

 金融緩和は加速させなければなりません。日銀による買切オペは増額されなければなりません。さらなる金融緩和により資金のめぐりをよくし、ベンチャー企業や新規事業に進出する企業の活躍を促します。そして、経済成長による企業からの税収の自然増を後述のわれわれの生活に密着した分野にあてることで、われわれの生活の安定につなげます。

【注:金融緩和の成功により、正社員の有効求人倍率も2017年6月には1倍を超えました。大きな成果をあげたと評価します。しかし、そもそもアベノミクスのうち、「異次元の金融緩和」政策については、ほぼ同内容の政策が2010年10月に金子が事務局長を務めた当時の民主党「デフレ脱却議連」により、また2012年6月に金属労協により提案されており、決して与党のオリジナル政策ではありません。野党も胸を張って金融緩和を推進すべきです。】

2.「生活改革ファンド」(仮称)を設置

総額50兆円以上のファンドを創設。教育・子育ての無償化をはじめ、次世代エネルギー開発、現状でも混雑・不足しているインフラ整備を大胆拡充するなど、わが国経済の将来の成長を促すための投資ともいうべき政府支出を増やします。

教育や長期的な基礎研究、技術革新を促すといったことは、長い眼で見れば必要なことですが、短期的に採算が合わないため民間にはリスクが大きすぎます。民間がやれないからこそ政府の出番です。

このファンドは現在の歴史的な低金利を利用し、超長期国債を原資の中心とした国債の追加発行でまかないます。

【注:英国労働党はスティグリッツやピケティといった一流経済学者の指導の下、National Transformation Fundという名称で2500億ポンド(約40兆円)の基金を作り、10年間支出することを2017年マニフェストに掲げ、大幅な議席増を勝ち取りました。】

3.家計の消費回復まですべての増税を延期

・2014年4月の消費増税分約8兆円については、これまで約1/5しか社会保障の充実・強化にまわされていませんでしたが、その配分を改め、全額社会保障の強化にまわし、借金の返済には流用しません。

また、【国会論戦や党部会での法案審議などで金子が繰り返し強く指摘したとおり】デフレ下での2014年4月の消費増税はわれわれの家計に大きな悪影響をもたらしました。そこで10%への消費増税を含むすべての増税については、国民生活を優先し、名目4%かつ実質2%以上の経済成長の達成などデフレからの脱却が完了するまで行いません。

【注:他の野党との政策協調の実現の観点からも消費増税には反対する必要があります。また、昨今の与野党の公約をみると、2012年の自公民三党合意はすでに破棄されたものと考えられます。なお、日銀は政府の一機関と考えられますが、その両者を連結してみれば政府の財政状況は2013年からの金融緩和実施前と比較し大幅に改善されており、財政再建を急ぐ必要はありません。】

「プライマリーバランスの黒字化」は、支出削減や増税によるのではなく好景気による税収の自然増による達成を目指します。

黒字化を口実とした理念なき財政支出削減は行いません。支出の削減により、景気が悪くなるということもさることながら、将来の世代に対する子育て支援、収入に関わらない公教育、生活の基盤となるインフラ整備が真っ先に切り捨てられてしまい、わが国の将来が危うくなるからです。

【注:残念ですが、現在の政権は「増税によるプライマリーバランスの黒字化」という緊縮政策から完全には離れていません。】

・予算編成の中での、各省庁からの減税や新規施策要望の際に、査定当局が同額の事業削減を強制する「ペイ・アズ・ユー・ゴー原則」によって、新規施策も往々にして看板の掛け替えに終わり、政策効果を削いでしまっています。これは戦略的な予算編成のためには有害無益であるため、閣議決定を持って廃止します。

新規施策は上記のファンドや自然増収を財源とし、政府財政が「理念なきカット」に陥らないよう配慮します。

4.正しいマクロ経済政策の下での各種施策の実現

以上のマクロ政策を大前提とし、その枠内で財源を確保し、家族の年齢構成と所得に応じた「給付つき税額控除」(負の所得税)、教育・子育ての無償化、生活保護の適用範囲拡大など所得再配分などのわれわれの生活に密着した各種施策を同時に実施します。

なお、今後、世界経済にリーマンショック級の悪化が生じたときには、これら政策に上乗せして健康保険などの社会保険の掛け金を政府が肩代わりすることを検討します。

【注:リーマンショック級の悪化に対して政府は消費増税の延期を考えているようですが、それ以上に家計に強力にてこ入れが必要です。そもそも社会保険料は人頭税的性格が強く、所得に対する逆進性が極めて強いため根本的に見直さなければなりませんが、この文章はあくまでもマクロ経済政策だけ書いていますのでここでは取り扱いません。】

(以上)

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