景気回復は昨年の12月で終わった?

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今年第一四半期(1─3月期)の国内総生産(GDP)の2次速報値が内閣府から発表になりました。

主な内容は、

1.前期比+0.8%(年率3.3%)となり、1次速報の+0.6%(同2.4%)から上方修正
2.上方修正の原因は、設備投資の上方修正。1次速報での前期比-0.9%から、+0.3%に。
3.しかし物価動向を総合的に示すGDPデフレーター(前年同期比)は、1次速報より0.1ポイント下方修正され、-0.3%
4.政府の支出である公的需要は、マイナス0.4%と緊縮。

この姿を見ると、今のままでは、デフレ脱却宣言がいまだ行われないうちに、設備投資が失速しつつあるといえそうです。 景気動向指数一致指数が平成19(2007)年1月分から3ヶ月連続で50%未満となった後、4月分で50%を上回りましたが、先行指数が6ヶ月連続で50%を下回っていることを踏まえて数値をみると、景気回復は昨年の12月で終わったという見方がますます信憑性を帯びてきます。

今回の景気の先行きに加えて問題なのは、この景気の行方を見守るうちに、長きにわたる日本経済のデフレとの戦いの記憶が薄れてしまう危険性があることです。現在、GDPデフレーターが前年同期比でわずかなマイナスにとどまるなど、一時期の深刻なデフレ状況とは異なってきており、それはそれでありがたいことですが、肝心のデフレ問題の総括が行われないままですと、デフレ克服の体験がきちんとした教訓として政府日銀や企業、ファンドなどの各種の経済主体に共有されないままになってしまいます。

現在の政府日銀の政策が、不完全ながらもリフレ政策(リフレーション政策)であったことや、政権が国債発行額年間30兆円の公約を守らなかったという事実などがかえってデフレ克服に貢献したと私は考えますが、なぜ先進国の中で日本だけがデフレに苦しんだのかについて、きちんと総括される必要があります。

長引いたデフレ不況の戦犯は誰なのか、簡単に言えば最大の戦犯は世論とマスコミで、第二の戦犯は日銀だろうと思います。本来このような作業は、米国などではシンクタンクが行うのですが、日本の場合には、このように儲けにつながらない作業は誰もやらないようです。こんなところにも米国と日本、彼我の経済政策に関わる実力差の一端が現れています。

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