デフレ脱却遠のく

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内閣府は、6日、政府経済見通しの年央改定を発表しました。いまだにデフレ脱却ができていないというのが日本経済の現状のようです。

  《GDPデフレーターは前年度比0.2%から0.0%に下方修正。2007年度の「名実逆転」現象は解消せず、デフレ脱却時期が当初の想定より後ズレしていることを認めた格好。》
《「足元賃金の伸びが予想より低位にとどまっていることや、原油高や為替の円安で輸入物価の上昇幅が当初予想より上振れると見込める」(内閣府幹部)ことなどから、GDPデフレーターを下方修正した。消費者物価指数(総合)も当初見通しの前年比プラス0.5%から、同プラス0.0%に下方修正した。》
07年度名目成長率を2.1%に下方修正=内閣府試算 | Reuters

現在の経済の状態に関する最大の問題は、GDPの実質成長率の高低もさることながら、「デフレ脱却ができたのか、いつできるのか」ということです。その点で、数多くの報道の中でこのロイターの記事は的を得た記事だと思います。

私がつねづね書いていることは、景気の「水準」が高いのはわかるが、「方向」は既に拡張局面にはなく、しかもデフレ脱却ができていないのだから、先行きを楽観してはいけない。』ということです。

つまり、今回の見通し改定について、今年度の実質成長率が2.0%から2.1%に上方修正されたことよりも、デフレからの脱却ができていないことが明らかになったことの方が経済に対する影響は大きいと考えます。問題は、将来の物価が、引き続き下がると考えれば、期待される実質の金利も高止まりしてしまうからです。

この2月の日銀による追加利上げ以降、ずるずるとデフレ脱却は遅れています。例えば日銀が物価判断の基準としているといわれる前年同月比のCPIも利上げ以降、毎月コンスタントにマイナスを続けています。しかも消費者物価指数はラスパイレス指数であることなどから、実態よりも常に高くでてしまいます。当然、デフレについては楽観できる状況ではありません。

  《福井俊彦日銀総裁が「需給はタイトになっており、(これがいずれ)物価上昇に反映するとみている」と従来からの見方を説明。一方で「需給がタイト化しているわりにサービス価格の上昇圧力が弱いのは事実である」とも語った。  また、「フィリップスカーブがフラット化している状況では、労働需給がタイト化しても物価上昇はゆっくりで(政策判断では)時間的余裕があるのではないか」との出席者の質問に対して、福井総裁は「時間的余裕を前提に、金利水準の調整はゆっくり行う。しかし、それ以上にさらにゆっくりやると、資源配分の歪みが生じる」と述べ、緩和的政策を過度に進めることの弊害も強調した。》
デフレ脱却、後ずれしている=大田経済財政担当相 | Reuters

相変わらず、わが道を行く福井俊彦日銀総裁のコメントですが、現時点では物価もぜんぜん上がっていませんし、設備投資の過熱ももちろんありません。バブルの再燃を懸念しているようですが、今は起きていません。フィリップスカーブがフラット化しているというのは事実ですし、そうなれば構造的に物価が上がりにくい体質に今の日本はなっているはずです。

こういう事実から導かれる結論は、早急な利上げは必要ないということでしょう。それとも福井俊彦日銀総裁は、景気の現状以外に何かを気にしているのでしょうか?

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