相対価格が上がっても一般物価が上がるわけではない

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  《内閣府が11日発表した11月の消費動向調査(一般世帯、原数値)によると、1年後の物価が「上昇する」と見通した回答が、前月比5・9ポイント高の82・2%と初めて8割台に乗った。04年4月に同調査を開始して以来の最高値を2カ月連続で更新。》
消費動向調査:物価上昇予想、初の8割台に--11月)

これは消費者にとってガソリンなどの石油製品や、小麦など海外からの輸入原材料の値上げが原因の食品の価格引き上げが大きなものに映っていることが原因です。 本当に、石油製品や輸入原材料の値上がりがデフレ脱却につながるのでしょうか。一般論で言えば、特定の商品の値上がりが直ちに物価上昇=デフレ脱却につながるわけではありません。例えば石油製品の価格が引きあがっても、それは他の製品と比較した場合の価格(相対価格)が引きあがっただけで、ただちに一般物価(生活する上で必要な商品の総計でみた価格)が上がることを意味しないからです。

例えば、「ガソリンの値段がリッター150円になったから、ちょっと今度の週末に遊園地にいくのはやめておこう。」となったら外出をやめたことによって、食費や遊園地での支出が減ってしまい、結果としてガソリンの上昇分とそれ以外の下降分の差し引きが、物価を引き下げる方向に働くことが考えられます。

この効果がどちらになるかは一概にいえません。ただ、消費者が景気が悪いなあという感じを持ち、消費を手控えたならば、売れなくなった分の価格下降による効果の方が大きくなることでしょう。最終的には、今後の景気や物価の動きについての消費者の予想がどうなるかに決定的に左右されます。デフレという現象はきわめてマクロ経済的な現象です。消費者の期待に対して、政策当局による金融政策の変更は大変大きな影響をもたらします。

最近の物価の動きを見たときに、特徴として挙げられるのは、原油価格が高騰していてもほとんど消費者物価指数に反映されてきてこなかったことです。過去の石油ショック時と比較をした時に明らかです。このことは今後の経済の動きについて慎重な心理が行き渡っていることを意味します。つまり、このことを踏まえると結果的に消費を手控えるマイナス効果の方が大きい、つまりデフレ脱却にはならない可能性を暗示しているのではないかと思います。

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