2006年中にデフレ対策を打っておくべきだった

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 9

すっかり私事の忙しさにかまけてブログの更新も怠ってしまっていました。そこで最近の出来事についてすこしだけふれます。

《5月の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)が前年同月比1.5%上昇し、消費税増税など特殊ケースを除き15年2カ月ぶりの高水準となった》
(<消費者物価>15年ぶり高水準 原油や穀物高が本格波及(毎日新聞) – Yahoo!ニュース)

と報道されています。今回はこの消費者物価上昇について考えたいと思います。

さて平成18(2006)年11月に次のように書きました。

《深読みをすれば、もう今回の景気回復ももうしばらくすれば終わるから、今金利を引き上げておかないとまた、何年間も金利が据え置きになり、金融政策でフリーハンドが得られないと日銀は判断したのかもしれません。》
(日銀福井俊彦総裁の追加利上げ推進発言)

実際にその後の景気の動きを景気動向指数(CI)を通じて見ますと、景気に先んじて動く先行指数が同年5月に、景気に半年程度遅れて動く遅行指数が平成19(2007)年1月にそれぞれピークとなるなかで、景気そのものの動きを示す一致指数は平成18年12月から19年8月まで一進一退(一退一戻?)を続け、現在はもはや下落の一途をたどっています。

つまり当時、私がブログで懸念していたとおりの展開になってしまったわけです。私は日銀の性急な追加利上げに反対していました。しかし、結局いまだにデフレからの脱却ができていない。

『これだけ物価高なのにデフレ脱却ができていないというのか?』とおっしゃるかもしれませんが、現在見られる原油や穀物などの海外からの輸入産品の上昇が原因での物価高は、生産品への価格転嫁を難しくするだけで、デフレからの脱却にはつながりません。デフレ脱却の有無は具体的にはGDPデフレーターで判断しなければなりません。

《例えば石油製品の価格が引きあがっても、それは他の製品と比較した場合の価格(相対価格)が引きあがっただけで、ただちに一般物価(生活する上で必要な商品の総計でみた価格)が上がることを意味しないからです。例えば、「ガソリンの値段がリッター150円になったから、ちょっと今度の週末に遊園地にいくのはやめておこう。」となったら外出をやめたことによって、食費や遊園地での支出が減ってしまい、結果としてガソリンの上昇分とそれ以外の下降分の差し引きが、物価を引き下げる方向に働くことが考えられます。》
(消費動向調査:物価上昇予想、初の8割台に )

と昨年12月に書いたとおりの状況になってしまっています。

現在の日本の経済は、海外からの輸入物価の上昇を、製造業者が価格に転嫁できない状態です。これはまさにデフレの状態に他なりません。そして、消費者物価指数が上昇しているのだから金利を引き上げればいいのか、それともコストアップ分が価格に上乗せできないのだから金利を引き下げればいいのか、今の日本の状況での最適な金融政策がどのようなスタンスであるべきなのか、大変判断が難しいです。二兎を追うものは一兎も得ずの典型的な例になってしまいました。

白川方明日銀総裁の舵取りは、これまで危惧していたよりは明らかにまともなものとなっていますが、とはいうもののやはり、いまさら悔やんでも仕方ありませんが、日本国内も米国経済も調子がよかった平成18(2006)年中までにきちんとしたデフレ対策を打っておくべきだったのです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする