盧武鉉前大統領の死と海洋諸国同盟

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韓国の盧武鉉前大統領が亡くなりました。自殺と報じられていますが、なんらかの形で口封じをされたのではないかという話も噂されているようです。真相がどのようなものであるかは私のようなものにはきっと永久に判らないままだとは思いますが、政治に携わるもののきびしい運命を感じます。ご冥福をお祈りします。

韓国の大統領経験者で終わりを全うしたものは一人もいないといっても過言ではないでしょう。あるものは暗殺され、投獄され、今また横死しました。本当の背景がどのようなものだとしても、この事実は韓国にまともな政治が根付いていないことを感じさせます。19世紀になってはじめて独立し、形作られた新しい国家の中で、また大国の狭間にあることが原因で、安定した政府に不可欠な健全なナショナリズムが存在しないことがこのように脆弱な体制を生んだのだろうと考えます。なんとなく19世紀末のロシア南下当時の状況の焼き直しのようなイメージでもあります。

さて、これからの日本の外交は、欧州大陸でのソ連とナチスの勃興に翻弄された1930年代のイギリス外交と似てくるのだろうと考えます。つまりバランスオブパワーを原理として、国際情勢の安定を図るということだと思います。

極東でロシア、中華人民共和国のどちらが他を圧するほど勢力を伸張させることを望ましいと考える日本人はいないでしょう。両国の国民にとっても不幸なことです。

この両国は大陸型の軍事大国です。うまく表現できませんがプラスサムゲームである経済を行動原理とせず、ゼロサムゲームである軍事的な行動原理に裏打ちされています。大陸帝国型とでもいうべきでしょうか。単独で両国と対峙するよりも、日本と利害が一致する、他の体質の似た国家(海洋商業型とでもいいますか)と緊密に連携し極東アジアの平和を守ることが望ましいと考えています。

その候補となりうる国は、米国は別格にすると、地理的には日本から南につらなる、台湾、フィリピン、インドネシア、オーストラリアといった国々に将来的にはなるだろうと思います。

大きな人口も必要ですが、それよりも経済的な豊かさと多元主義が根付いている国である必要があります。こうした海洋諸国の同盟に人口5千万に近い韓国が入ってくれればと思っていたのですが、経済的にはとにかく、未成熟な体制をみるとどうやらきっぱりとあきらめた方が良さそうです。

昔、勝海舟が日本、清、朝鮮の三国が同盟を結び、欧米列強に対するというアイディアを持っていました。(これはここでいう海洋諸国の同盟とは性格が違いますが)そうなれば世界史もがらっと変わったと思うのですが、肝心の両国が因循姑息な状態から一歩も歩み出ようとしなかったため、見果てぬ夢に終わってしまいました。せめて韓国だけでも目覚めてくれれば展開も変わったと思うのですが、なんだか今回もダメそうな気がするのは私だけでしょうか。

(追伸です。最近経済情勢について書いていませんが、なんだかこれまで発言してきたことから容易に推察できる内容になると思いますので、筆が進みません。とはいえ「エコノミストブログ」を名乗る以上、近いうちに書きます。筆無精をお許しください。)

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