20兆円規模の「日銀引き受け震災復興国債」を発行せよ

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今回の東日本大震災は未曾有の被害をもたらしました。心からのお見舞いを申し上げます。今日、参議院本会議でも黙祷が捧げられました。

さて、今回の復興のためには膨大な財源が必要です。増税でまかなうのは愚策。20兆円規模の「日銀引き受け震災復興国債」を発行する必要があると考え、政府与党の関係各方面に働きかけています。非常時に書いたものですので、後日修正をいたしますが、草稿の段階のものとしてご覧ください。

(最新版を「震災復興の財源は日銀引き受け震災復興国債で」で公開しております。)


震災対策の経済政策について(メモ)
20兆円規模の「日銀引き受け震災復興国債」を発行せよ

平成23年3月16日
金子洋一

 今回の大震災復興財源として、増税や自治体負担は望ましくない。政府与党のリーダーシップにより日銀引き受けによる「震災復興国債」をまず20兆円規模で発行するなど積極的な財政政策を採るべきである。まずは、被災地救済のために現地被災者を雇用した公共事業から手をつけるべきだ。
また、一時的な株安に対応した日銀による株価維持政策(PKO)を実施すべきである。

1.財政出動の必要性
阪神大震災の復興事業費を約16兆3千億円と試算しているが、今回の大震災にはそれを大きく上回る金額(20兆円規模以上)が必要だ。

地震や津波災害に強い新たな町作りも急務である。また、民生対応と同時に道路等のインフラを早く復旧させないと、彼の地での部品生産ストップなど製造業のサプライチェーンがボトルネックになって他地域の生産が止まってしまう。

関東大震災では財源確保のために外債を発行したが、今回は、財政法第5条但し書きによる「日銀引き受け震災復興国債」を国会の議決を経て発行し、とりあえず20兆円まかなうことが必要である。同時に、国債の暴落などの副作用を防ぐために、中長期的な震災復興国債の返済計画、財政再建の見通しを公表する。十分な金額を準備することで国民の間の安心感を生み出すことができる。

今年度の国税税収は約40兆円であり、この金額は巨額であるため来年度予算の組み替えや臨時増税では到底まかなえない。また、被災した地方公共団体による公債発行は、今の財政状況と被災状況を考えると、非常に高い金利を余儀なくされるので避けるべきだ。
報道されているように直ちに補正予算を組むにしても、増税ではただちに大規模に政府が動くことはできない。予算の組み替えもまた政権交代の成果を放棄することにつながりかねない。また、景況感に大震災がマイナスの影響を与えている現状下で増税をおこなったのでは、罹災していない地域での景気にも悪影響がある。

政府与党のリーダーシップによる一刻も早い対応により取り組む必要がある。財政法第5条但し書きによる「日銀引き受け震災復興国債」なら国会の議決のみで発行できるため、早ければ年度内の発行も可能である。

同時に、個人向け震災復興国債も発行すべきである。特にこれはマイナスの金利をつけ、義援金としての性格を持たせることも検討してよい。

しかも、事態は急を要する。被災された方々も生活の場を失い、収入もない。阪神大震災の例では隣接府県で働くことができただろうが、被災者を雇用した公共事業として復興事業をおこなえば、働く場所の提供となり手元資金を供給し、また自らの手で復興を進めているという心理的な支えともなる。速やかに現地の瓦礫撤去、仮設住宅の建設から手をつけるべきだ。(キャッシュ・フォー・ワーク方式:別ペーパーを参照)

20兆円規模で日銀引き受け震災復興国債を発行すると過大なインフレとなると思う向きもあるだろうが、確かに日銀引き受けによる国債の発行はインフレをもたらすが、今年度の国債の新規発行額は44兆円、累積発行額は900兆円に近いが、それでもデフレ基調で推移しているため心配ない。万一、インフレの兆候が見られれば日銀によって金融政策を引き締めればよい。

2.より金融を緩和すべき
日銀は大きな金額の短期資金供給を続けている。一定の評価をしたい。しかし、これは大幅な株安や東京電力福島第1原子力発電所の事態悪化を受けて、現金を余分に抱え込もうと考える金融機関への対処としてのもの。それはそれで重要だが、要するに自分の天下り先である金融機関を思いやっての行動に過ぎない。

真の問題は、第一には、わが国国内の市場参加者が弱気になり、株式や不動産などが不当に安価に買いたたかれる可能性を防ぐこと。円高の進行より株下落のペースの方が早い。第二には、震災直後から起きた国内への資金環流(リパトリエーション)の副産物である円高を是正することである。

3.株価維持(PKO)政策の実施
日経平均がリーマン・ショックを超す下げ幅を記録した。わが国の成長力はこれによって大幅に損なわれたということはないので、一時的なものだが、海外勢にこれにつけ込まれてはならない。年度末を迎え、一刻も早い株価維持政策が必要。

「日銀引き受け震災復興国債」と並行して日銀によってETF(上場株式投信)を大量に購入すべきである。日銀のETF購入は震災後の追加策でも打ち出されたが、6月末までに5000億円と例によって不十分である。特に、今回は単なる流動性供給ではなく、株価維持の目的でおこなうべきものである。国内では流動性が足りないから買いたくても買えないので一時的にでも買い支えられるのは日銀だけだからである。むろん、株式市場が通常状態にもどれば日銀は大きな利益を得ることができる。

財政法第5条「すべて、公債の発行については、日本銀行にこれを引き受けさせ、又、借入金の借入については、日本銀行からこれを借り入れてはならない。但し、特別の事由がある場合において、国会の議決を経た金額の範囲内では、この限りでない。」
(未完)

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