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2010年04月10日       

日銀による「デフレターゲット」の現状

 消費者物価指数(全国)「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合(季節調整済)」(いわゆるコアコアCPI)の前年同月比データでみる、我が国の物価について、安定的に0%から-1%のインフレターゲット政策ならぬ「デフレターゲット」が実行されてしまっている、そのグラフが下図です。

コアコアCPI

(本来前年同月比を季節調整済データではとるべきではない、いわば二度季節調整をかけているようなものになるのでしょうが、公表データにはそれしかないのでそれで行っています。もちろんここでの議論には大きな違いはありません。)

 このデータそのものは2000年1月からしか公表されていないのでここではそれ以降のグラフですが、手作業で食料とエネルギーをのぞいてそれ以前のデータでグラフを作っても、ものの見事に日銀法が改正され日銀が独立性を強化した1998年以降から安定的に0%を下回っていることが判ります。この1998年以前はずっとコアコアCPIはプラスなのに、それ以降はマイナスを続けているのです。

 これに対してなぜ日銀がこのようなマイナスの物価でのターゲティングを行っているのかについて説得力のある説明はまったく行われてきていません。偶然というにはあまりにできすぎです。

 日銀による「中長期的な物価安定の理解」によると、消費者物価指数で「0から2%」、最近では「消費者物価指数の前年比で2%以下のプラスの領域にあり、委員の大勢は1%程度を中心と考えている」とされていますが、なぜエネルギー価格や生鮮食料品などの乱高下などの特殊要因に左右されにくいコアコアCPIを使わないのか、また、よりカバレッジが広いGDPデフレーターを使わないのか明確な説明がありません。

 私が、日銀は(すくなくとも結果的には)「デフレターゲットを行っている」と常にいっているのはこのあたりのことを指します。

 また、この冬に入ってから彼らのターゲティングのレンジである?-1.0%ですら下回ってしまっています。彼らが最近、わずかに金融緩和の方向に動いているのは、こうした事実を踏まえると、彼らの基準でもあまりに物価が下落しすぎたからであって、決して、日銀がデフレ克服に本腰を入れだしたと考えるべきではないでしょう

(また、余談になりますが、日銀が本気でインフレターゲット政策を取り入れればものの見事に物価を安定させられることも、このグラフでほぼ全期間ターゲットレンジの中に収まっていることからよくわかります。本来、日銀は技術的にはきわめて優秀なのです。)
 

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金子洋一プロフィール


現在、民主党参議院議員(神奈川県選出)、生活支援カウンセリング協会理事長。

これまでに、経済企画庁(現・内閣府)
OECD科学技術産業局エコノミスト
青山学院大学大学院国際マネジメント研究科兼任講師などを経る。

専門は、マクロ経済(景気)と消費者問題。詳細なプロフィールはこちら

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