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2010年02月21日

選択的夫婦別姓に反対します

 今国会での成立を目指して選択的夫婦別姓制度の導入を主な内容とする民法の改正案が提出される模様です。私はこれに反対します。

 その理由としては、まず第一に、この問題については亀井静香金融相が明確に反対を主張するなど連立与党内でも意見が分かれており、この問題によって生じた混乱により、景気回復、脱官僚の実現、日米同盟の安定化などのより重要な問題への対処が遅れてしまうことが予想されることがあげられます。

 第二に、次回の参議院選挙は税金の無駄づかいをなくすことを通じて景気回復を図るという政策の実現のためには必ず勝利しなければなりませんが、そのためには民主党が政権を引き続き任すに足りる健全な勢力であることを証明しなければなりません。そこで、とりわけこれまでの自民党の支持層の中核をなしてきた、選択的夫婦別姓制度を導入することに反対する人々からの支持を得ることがこれからきわめて重要になってきます。この制度に反対でも賛成でもないという国会議員にはぜひとも反対していただきたい。

 第三に、社会制度というのはお互いに制度的補完性を持っていますが、そのうちの家族制度に大きな変更をもたらす可能性がある制度を導入することには慎重であるべきだと考えています。どういった結末を招くのか、予期できませんし、ことによっては社会的大混乱すら招きかねません。もちろん、選択的夫婦別姓制度賛成派の皆さんは、「そんなことはない」とおっしゃるでしょうが、挙証責任は賛成派にあります。

 他にも、さまざまな理由が挙げられると思いますが、これらで反対するには十分ではないでしょうか。つまり望ましい制度である確証がない上に、政局的にみてもとるべきでないということです。

 また、よく夫婦同姓制度は明治以降のものに過ぎないと選択的夫婦別姓推進の立場に立つ方々はおっしゃいます。今、教科書を開けば、主権在民は新憲法下で初めて確立したとあります。だったら、主権在民も戦後からのものだとして捨て去ってよいものでしょうか。

 通称使用で大変に不便な思いをされている方々がおいでであることは判っております。なんとかしたいというお気持ちであることも承知しております。しかし、それ以上に大きな社会的大混乱を生んでしまったときにはその責任を誰が取るのでしょうか。

 起源が新しいされる制度や習慣でもよいものはきちんと守り育てていかなければなりません。その意味で私は人類や社会というものは進歩するものだと信じています。しかもその進歩は単なるイデオロギーによって導かれるのではなく、一歩一歩議論と実証による裏付けをしていかなければならないと固く信じています。
 

【2月24日追記:ツイッターでの議論で、様々なご指摘をいただきました。ありがとうございました。その中で、タイトルを「選択的夫婦別姓制度法案提出に反対します」と書き直した方がいいのではないかというご指摘をいただきました。まさにおっしゃるとおりだと思います。ブログ上のタイトルは混乱を防ぐために初出時のままにしておきますが、こちらのタイトルの方が私の主張にあっていますので一言付け加えておきます。】
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コメント (11)

匿名:

選択的夫婦別姓法案を熱望していたのに残念でなりません。

多様性を認める社会であって欲しい。
多勢に無勢だというだけで少数派を無視、見殺しにし、苦め続けて平気な社会であって欲しくないです。

婚姻と同時に妻、夫どちらの姓にしても良いことにはなっていますが、現状を見れば分かる通り、妻が改姓する場合が殆どです。
夫側が変えてもいいのだから、自分が改姓しようかな、などとは微塵も考えていない男性がどれほど多いことか。
女性が改姓したくないと言えば、周囲からは冷たい目で見られ、そして頑固だの我侭だの変わり者だのと言われてしまう現状がある。
これは疑いようのない現実です。

夫婦が別姓だと日本の社会が壊れる?
子供が不幸?
何を根拠にそのような事を仰るのでしょうか。
家族の一体感とは姓の違いによって崩れてしまうような頼りないものではない筈。
それはたかだか100年程の間に慣らされてしまった虚構の価値観から来ている幻想でしょう。
夫婦が同姓であったって、どれほどの家庭が離婚しているのでしょうか。

選択的夫婦別姓を望む背景は様々です。
しかし、別の姓を望むものにはその自由を、同姓を望むものにもその自由を与える。
いろんな家族があって良い。
多様性を認める社会の早期実現を願って止みません。

392:

 mixi「夫婦別姓」コミュニティでは、「亀井金融大臣が反対だから」「社会的混乱が起きたらどうする」といったことを「他力的」理由により反対論を展開しているという半ば「挑発的」なコメントがありました。
 直接的反対ではなく他力的反対論によって賛成派の人間からも支持を得ようという努力なのかもしれませんが、そういったことならば現状では逆効果なのかなと思います。
 折衷的なものとしてはたとえば、「(1)夫婦同姓は原則だが、別姓を希望する者は特別に申請を行う。(2)子の姓は出生時に届け出る。姓は夫婦合意によるが不調の場合は非嫡出子に準じて母の姓による。(3)姓に不服のある子は成人後一回に限って届出により改姓できる。」といったものが考えられます。
 この場合は、原則=夫婦同姓ですので、特に意思表示のない夫婦は同姓になります。

かなえ:

選択的夫婦別姓の実現を待ち望み、期待して民主党に一票を投じたのに、こんな風に裏切られるなんて、心底がっかりしました。
確かに今の日本では改姓することで一体感と喜びを見出す人がを大多数を占めるのでしょう。
でも、一方で様々な事情から改姓したくない/できない人だって沢山いるんです。改姓を望まない者には結婚する権利も資格もないとおっしゃるのでしょうか。

晴れて別姓選択が認められ、法的に正式な夫婦と名乗れるようになったら子どもをつくろうと考えている事実婚カップルだって少なくありません。そういうカップルの絆は、婚姻届を出しているご夫婦に負けず劣らず深いです。別姓夫婦の子どもはかわいそうとか、社会の秩序が乱れるとか、ありきたりの意見に同調しないでください。

さいふぉん:

個人的に「姓を変えたくない」という感覚もわかりますが、
個人的に「社会制度を変えたくない」という感覚と優劣はありません。

結局根本はどちらも感情論なので、変える合理性は出てこないでしょう。

hanahana:

とても、ショックな内容です。

民主党政策集INDEX2009に、「選択的夫婦別姓の早期実現」とあり、それを信じていて、2009年10月に行われた神奈川県補欠選挙で、民主党に属する金子先生に一票を投じたのですが、今更、反対表明ですか。選挙前に言って頂きたかった。

本当に、切実に選択制夫婦別姓を長年、望んできた国民がいる。この声に耳を傾けないで、たかはしさんのおっしゃるように、政治的理由で民法改正が見送られたら、残念です。

制度と習慣は大切ですが、制度は私たちの現実の生活を下支えするもの。時代が変わり、それに縛られて実際に不便している人がいるなら検討の余地はあるのではないですか?
今の民法と現状が乖離してきている。これが、十分に実証されたしたものと思います。

政治的でもなく、イデオロギーからでもなく、純粋に選択的夫婦別姓を望む国民達の声に耳を傾けて下さい。

そして、選択的夫婦別姓は、同姓も別姓も選択できる「選択制」。価値観、家族観、ライフスタイルが多様になる中で、他のものを認め合える受容性のある社会になって欲しいと願っています。

r.alan:

選択的夫婦別姓は反対です。
日本の将来に良くないと思います。
生まれてくる子供たちの為に悪影響が出来てしまうからです。
今の日本の若い人達は政治に関心が無いことには、とても残念です。
もっと日本の将来を真剣に考えなければいけない。

うーうー:

これが通ればお墓にどんどん苗字が増えてしまいますよ…
困りました…
ところで

供養控除・配偶者控除・非嫡出子と嫡出子の相続についての区別

をすべて排除するのでしょうか?
その変わりになるものは何かあるのでしょうか?

鈴木康夫:

8年前に離婚したんですが、離婚したり、離婚した女性とお付き合いしたりすると(独身でしたので・・・)この、戸籍の問題が実に面倒だなあという感じになりました。難しいコメントはできませんが、男性は、離婚しようがしまいが関係ないのですが、女性は旧姓に戻ることで離婚したことがすぐに知れ渡ってしまう。子供の姓の問題も出てきます。
 中国では、結婚しても姓が変わりませんよね。子供は、父親の姓を名乗る。合理的な感じがしますが・・・。

たなか:

まつもとさんに賛成。

たかはし:

こういう近視眼的、政治的な動機で民法改正が見送られたら本当に残念です。選択的夫婦別姓を期待して民主党に投票した国民を軽視することは決して民主党の将来にとってプラスにならないでしょう。去年の選挙前に民主党は与党になったら民法改正案を提出しないという報道があって、その直後に民主党があわてて否定したいきさつを覚えているでしょうか?その時の言葉を信じて民主党を支持した多数の有権者は今後の民主党の出方を注視するでしょう。

選択的夫婦別姓は今まで何度も法案が提出されたにもかかわらず、一度も国会で審議されませんでした。政権交代した以上、党議拘束を外してもかまわないと思いますが、ちゃんと国会の場で審議するくらいの責任が民主党にはあると思います。

まつもと:

政権維持という理由は分るのですが、それは政権側の理屈のように思います。私の友人にも、選択制夫婦別姓を待ち望んでいますが、それは彼らの希望であって、社会にどう悪影響がそれによって現れるのか理解できません。「挙証責任」とはおっしゃいますが、どういう「社会的悪影響」が起こると言うのか、そちらも明らかにしていただきたく思います。それが無い以上、反対する人間は、単に「感情的・主観的な意見」か「政権維持のため」というものであるとしか思えません。反対意見として正当性が感じられない。

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このページについて

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金子洋一プロフィール


現在、民主党参議院議員(神奈川県選出)、生活支援カウンセリング協会理事長。

これまでに、経済企画庁(現・内閣府)
OECD科学技術産業局エコノミスト
青山学院大学大学院国際マネジメント研究科兼任講師などを経る。

専門は、マクロ経済(景気)と消費者問題。詳細なプロフィールはこちら

 なお、このブログの記事内で意見にわたる部分は、私の個人的見解です。いただいたメッセージは私本人が必ず読ませていただき、今後の政策作りの参考にさせていただきます。直接ご返事を差し上げる場合もありますので、できればお名前とメールアドレスをお書きください。

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