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2009年07月14日       

円建て米国債発行は円高につながるのか?

  《外為市場でも民主党の政策への関心が強まっている。中川正春・衆議院議員(民主党「次の内閣」財務相)は6月10日、ロイターとのインタビューで 英BBC放送で報じられ、物議を醸した「円建てなら米国債を買う」との自らの発言について、「米国に協力しないということではない」と釈明したが、影響は尾を引いている。米国が円建ての国債を発行することは、米国が自らドルの信認低下を認めることになり、ドル暴落の危機をはらむ可能性がある。中川氏は円は高過ぎ、ドル/円の目安を100円程度としているものの、「足元水準よりも円高が進めば株安につながり、それが一段の円高になる」と邦銀の外為市場関係者はみている。日興コーディアルの河田氏は「1つ間違えれば景気腰折れにつながりかねない」として「(こうした)数々の矛盾点をどのように修正していくか注視していく」と述べている。》
民主党政権の発足にらむ、投資戦略の見直し迫られる
 政権交代を前提とした議論が増えました。その中にあって注目を浴びているのが財政運営だろうと思います。

 さて、中川正春さんが論じているように円建てで米国債(サムライボンド)が発行された場合には、その利回りとの関係もありますが、これまで日本の国債を購入していたかわりとして円建て米国債を購入するという代替がすくなくとも一部は生じ、日本の国債の消化ができなくなる可能性すら考えられます。そうなるとこのかぎりでは日本の国債金利は上がらざるを得なくなりますが、一方でまさに国債の消化ができなくなったということが原因で我が国の方に日本の財政が持つかどうかという「円の信任低下」という別の問題が突如生じる可能性が出てきます。

 この場合、どちらかというと前者は短期的に効いてきて、後者は長期的な問題ですが、前者は利子率が高くなるので円高要因、後者はいうまでもなく円安要因です。どちらの効果が為替市場に与える影響が大きいかは一概にいえません。(そういうモデルもあるのかもしれませんが、すみません存じません。このあたりのことをご存じの方がおいででしたら教えていただければと思っています。)ましてやそこに米国自身のドルの信認の問題も加わってくるのですから大変に複雑です。

 ですから少なくともここで言えることは、サムライ米国債が発行されたからといってこのロイターの記事にあるような単純な形では為替市場は動かないはずです。もちろん、円建て米国債の利回りが日本の国債との関連でどのように決まるか、別物として認識されるのか、それともかなりの程度代替物として認識されるのかによって価格形成がまったく異なると思います。こういった少なくとも私には断言できない要因に左右されるのですが、それ以前の問題は、サムライボンドを発行することに共和党を中心として大変強い反対が起きるであろうことではないでしょうか。なにせ不況期の経済対策に「それは社会主義的だ」と反対する人が大勢いるのが米国ですから。

 以上、まあ、このくらいの検討は民主党内でも行われているのでしょうが、ぱっと考えたことをぱっとまとめましたので勘違いの可能性大ありです。ご容赦ください。


 

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金子洋一プロフィール


現在、民主党参議院議員(神奈川県選出)、生活支援カウンセリング協会理事長。

これまでに、経済企画庁(現・内閣府)
OECD科学技術産業局エコノミスト
青山学院大学大学院国際マネジメント研究科兼任講師などを経る。

専門は、マクロ経済(景気)と消費者問題。詳細なプロフィールはこちら

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