「1990年代の日本の失敗繰り返さず」 ローマーCEA委員長
《米ホワイトハウスのローマー経済諮問委員会(CEA)委員長は29日付の英紙フィナンシャル・タイムズ(アジア版)に対し、金融危機に対応した政策の転換を図る「出口戦略」について「1990年代の日本の失敗を繰り返したくない」と述べた。委員長は「当時の日本は事態が改善し始めた際に政策を引き締めた」と指摘し、米国は景気回復を十分見極めてから金融・財政政策の正常化を図るべきだと強調した。》欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁がはやばやと、出口戦略を論じたことに少々ショックを受けたことは以前書きましたが、米国の大恐慌の研究で有名なクリスティナ・ローマーCEA議長の発言には安心しました。(注意していただきたいのですが「1990年代の」と書いてあるのですね、これが。「2000年代」については言うに及ばないということなのでしょう。)
(「日本の失敗繰り返さず」 景気対策で米CEA委員長)
余談ですが、CEA議長には以前のイエレン(アカロフと夫婦)もそうでしたし女性が多い気がします。また余談ついでに、今見てみたらご主人のデビッド・ローマーによる定番教科書「上級マクロ経済学」(日本評論社)の扉には「クリスティーへ」と書いてありました。女性の多さもとりもなおさず層の厚さの一つの証左だろうと思います。
米国のオバマ政権に一流経済学者が多く登用されていることは、政治側の認識もさることながら現実の経済情勢に関心を持つ経済学者の層の厚さに関して我が国と大きな差があることから来るものでしょう。うらやましさを感じます。高名な経済学者が必ずしも政策面でも有能かどうかはまったく別であることは誰しもが感じていることだろうと思いますが、それにしても伊藤隆敏氏が日銀副総裁にすらなれなかった日本とは大きな違いです。
また、トリシェ、ローマーの両氏も表現の違いこそあれ出口戦略を慎重に考えるべきだという点では大きな差はないものと思われます。ローマーに批判をされた政府・日銀はこの点についてどのように考えているのでしょうか。最近の政局の動きの陰に隠れている観がありますが、構造改革の功罪の検討以上に重要なのが金融政策のあり方の反省です。この点についても政策論議の対象にしていただきたいのですが・・・



