伊勢海上アクセスの浮桟橋、住民代表が監査請求
昨年の春に「中部国際空港と伊勢市の海上航路が白紙に」ということで、伊勢市と中部国際空港を結ぶ海上アクセスが開始寸前に頓挫したことについて記しました。その後も就航する業者はみつからないままです。
市長選当選後に出された森下隆生市長の自称「マニフェスト」。これは有権者の審判を経ていないということで真の意味でのマニフェストとはいえませんが、その中に唐突に現れた6億5千万円の「宇治山田港の整備」。その構想により投入された金額は合計で7億円にのぼります。
森下隆生市長は「任期中の航路就航を見送る意向」を表明しました。
これは来年4月までの一期四年という任期の市長の発言としては事実上の事業の終結を意味するものです。しかし「凍結」などという中途半端な表現では、後任の市長にゲタを預けようとしているという不誠実な態度をとっていると誤解を受けかねません。伊勢市の判断ミスをいさぎよく認め、明確に「断念」を市民に対して表明することが必要です。
採算面で合うはずもないことは以前にも述べましたし、実際、どこの海運会社も市からの補助金なしでは引き受けようとしないことは、事業としての将来性がそもそもないことを意味しています。
それにもかかわらず、伊勢市はさらにこの事業に金銭を投入しようとしているのです。
海上アクセス事業のために設けられた「宇治山田旅客ターミナル」の係留施設として作られた浮桟橋の安全性チェックのために804万円の支出が決定され、つい昨日請負業者が決まりました。
この安全性チェックというのも、伊勢市が安全基準を定めた省令を守らずに、製造年月日などがわからない出所不明の中古台船を流用したことが明るみに出たため必要になったものです。その結果、三重県から使用停止を命ぜられたために行うことになりました。調査の結果、省令違反が確認された場合1億円を超える建設費が必要といわれる浮桟橋を再度作り直さなければなりません。
伊勢市による二重、三重の初歩的なミスが重なったものであり、あきれかえるばかりです。
これに対し、超党派の市民有志123人が、伊勢市に対して住民監査請求を行いました。内容は、森下隆生市長の監督責任を問い、市への損害賠償を求めるものです。
そもそもこの中部国際空港への海上アクセス事業は、伊勢市民のだれ一人として望んでもいなかったものです。だれがこんなことを考え出したのでしょうか。こんなことに7億円も投ずるなら、財政再建、寂れた伊勢市の駅前の整備や、市立伊勢総合病院の問題、学校の耐震化など市民が早く取り組んでほしいと思っている問題に真っ先に取り組むべきでした。伊勢市が一日も早く責任をみとめ、政策を転換することを一伊勢市民として期待します。



