天皇皇后両陛下が昭和34(1959)年4月10日の御大婚から50年、我々でいうところの金婚式をお迎えになりました。謹んでお祝い申し上げます。
先だって行われた記者会見での、天皇皇后両陛下のご発言を、特に、伝統ですとか宮中祭祀の重要性について言及されているところについて引用させていただきます。
まず、天皇陛下のご発言から、
《私は即位以来昭和天皇をはじめ過去の天皇の歩んできた道にたびたびに思いを致し、また、日本国憲法にある「天皇は日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴である」という規定に心を致しつつ、国民の期待に応えられるよう願ってきました。続きまして、皇后陛下のご発言です。象徴とはどうあるべきかということはいつも私の念頭を離れず、その望ましいあり方を求めて今日に至っています。
なお、大日本帝国憲法下の天皇のあり方と、日本国憲法下の天皇のあり方を比べれば、日本国憲法下の天皇のあり方の方が、天皇の長い歴史で見た場合、伝統的な天皇のあり方に沿うものと思います。
守ってきた皇室の伝統についての質問ですが、私は昭和天皇から伝わってきたものはほとんど受け継ぎ、これを守ってきました。この中には新嘗祭のように古くから伝えられてきた伝統的祭祀(さいし)もありますが、田植えのように昭和天皇から始められた行事もあります。
新嘗祭のように古い伝統のあるものはそのままの形を残していくことが大切と考えますが、田植えのように新しく始められた行事は、形よりはそれを行う意義を重視していくことが望ましいと考えます。
従って現在、私は田植え、稲刈りに加え、前年に収穫した種もみをまくことから始めています。
(中略)
皇室の伝統をどう引き継いでいくかという質問ですが、先ほど天皇のあり方として、その望ましいあり方を常に求めていくという話をしましたが、次世代にとってもその心持ちを持つことが大切であり、個々の行事をどうするかということは、次世代の考えに譲りたいと考えます。》(【両陛下ご結婚50年】会見(1)「厳しい経済情勢、祝って頂くこと心苦しくも…」 )
《質問の中にある皇室と伝統、そして次世代への引き継ぎということですが、陛下はご即位に当たり、これまでの皇室の伝統的行事および祭祀(さいし)とも、昭和天皇の御代のものをほぼ全部お引き継ぎになりました。ヘタな注釈を加えることは差し控えます。しかし、これだけは書いておきます。特定の侍従や宮内庁中心に宮中祭祀を軽視する動きが戦後継続的にありますが、どうかそのようなことに流されず、お田植えをはじめとして祭祀の式典としてはあたらしいものではあっても、よいものはぜひとも続けていただきたいと思います。そのような営みこそが伝統を維持していくことだと考えるからです。また、皇室が過去の伝統とともに現代を生きることの大切さを深く思われ、日本各地に住む人々の生活に心を寄せ、人々とともに今という時代に丁寧にかかわりつつ、1つの時代を築いてこられたように思います。
伝統とともに生きるということは、時に大変なことでもありますが、伝統があるために、国や社会や家がどれだけ力強く、豊かになれているかということに、気付かされることがあります。
一方で、型のみで残った伝統が社会の進展を阻んだり、伝統という名のもとで、古い慣習が人々を苦しめていることもあり、この言葉が安易に使われることは好ましく思いません。》(【両陛下ご結婚50年】会見(2))
また、おめでたい日ですから、あまり愉快ではないことを重ねて書くことも差し控えるべきかと思いますが、皇位継承について、一時のような暴論は幸いにして影を潜めましたが、いつ再び政府や与党を巻き込んで噴出するかもしれません。これに対しても(その時の与党がどの政党であるかに関わりなく)十分注意をしていく必要があります。
私事になりますが、我が夫婦が金婚式を迎えるのはなんと2051年!その時には私は89歳、妻は86歳!!(かぞえ間違えではありません。我々は晩婚なのです。)その時の日本はどういう国になっているのでしょうか。後の世代に、きちんとバトンタッチをすることが我々の世代の責務です。





