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2008年02月24日

中部国際空港と伊勢市の海上航路が白紙に

 加藤光徳前伊勢市長が亡くなってから26日でもう2年になります。最近の伊勢市には「加藤光徳さんが生きていたらどう思うかなあ」と思わずつぶやいてしまうような出来事が次々に起こっています。

 最近の出来事では、伊勢市と中部国際空港とを高速連絡船で結ぶ「お伊勢サンライン」に就航が予定されていたセラヴィ観光汽船が経営不安から就航を一方的に断念したと報道されている事件がそれです。

 伊勢市は、この連絡航路のために、下野工業団地先(宇治山田港)に新たに約330平方メートルの公共旅客ターミナルと利用者用の250台収容の駐車場、その他に桟橋、道路の整備などを計画し、用地を約1万2000平方メートル借りるものとしています。

 港の整備などの総事業費は約6億4800万円で、そのうち6億円に合併特例債をあてるとしています。伊勢市の説明によると、今、計画を中止しても投資額はほとんど変わらないとのことで、工事は続け、セラヴィ観光汽船の替わりの会社を探すとのことですが津、松阪と連絡船が現在就航中で、その競争の激しさに鳥羽が断念したという条件の下では、そう簡単に見つかるものではないでしょう。

 また、運輸省出身の副市長が辞任をすると聞きました。責任をとって退官して民間人になるのかと思ったのですが、単に古巣の国土交通省に戻るだけだそうです。ある国会議員の意向によって伊勢市役所に送り込まれたといわれた副市長ですが、地方分権を進めていかなければならない時代に、加藤市政ではいなかった国からの出向者を受け入れなければならなかった理由はいったい何だったのでしょうか。

 セラヴィ観光汽船の経営状態の悪化などは運輸省関係者ならとうの昔に気がついていたことでしょうし、ならなぜ計画を早期に中断しなかったのかという疑問が残ります。一説によると、運行開始前の辞退に対しては一切セラヴィ観光汽船の責任を問う契約になっていなかったということです。まさかそんなずさんなことはないとは思いますが、それがもし本当なら、『セラヴィ観光汽船の撤退はあらかじめ予期されていたことで、もともとただ港の整備とそれに伴う工事の発注だけが目的だった』とする、巷で噂されている陰謀説にも信憑性が出てきます。

 陰謀説の傍証になるかどうか判りませんが、当初は、昨年秋に就航予定だったのにもかかわらず、会社側から「安全確保のため」と申し出てきたために4月20日まで延期されました。しかし、一度も安全のための高速船の試験運行は行われませんでした。そして断念を伝えてきた時点では、就航2ヶ月前だというのに国からの航路の認可が下りていなかったのです。普通ならおかしなことだというのですが、はじめから運行するつもりがなかったのではないかとする説にも確かにうなずけるところがあります。

 いずれにしても6億4000万円といえば伊勢市の一人あたり5千円の工事です。人口が減り続け赤字がますます深刻になる伊勢市にとっても大きな金額です。我が家は妻の父母を含めれば合計で4人伊勢市の住民ですから、一家の負担は2万円ということになります。これも小さい額ではありません。

 伊勢市は約6億円を合併特例債でまかなうというつもりらしいですが、何でも作れば無条件で合併特例債が使えるわけではありません。(総務省はそこまでお人好しではありません。)連絡航路が就航しなければ、合併の効果を上げるためのインフラ作りという合併特例債の目的から外れ国からのお金はこなくなってしまう可能性すらあります。

 「中部国際空港」、「港の整備」、「副市長」ともろに運輸省がらみの事件です。道路特定財源の問題でも国土交通省の利権が問題となっていますが、この事件にも運輸関係の利権を求めてうごめく有象無象の姿が目に見えるようです。

 こういう利権がらみと受け取られても仕方がない計画は、加藤光徳市長が健在だったならば体を張って阻止したことでしょう。伊勢市が喰い物にされています。泉下の加藤さんの無念、もって知るべしです。


 

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