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2008年02月20日

道路特定財源 菅氏と東国原知事 公開討論会要旨を読んで

 19日に行われた、道路特定財源をめぐる菅直人氏、逢坂誠二氏と麻生渡福岡県知事、東国原英夫(そのまんま東)宮崎県知事の討論http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080220-00000064-san-polについて少し思ったことを書きます。

 一読した感想は、麻生渡福岡県知事、東国原英夫宮崎県知事の発言は「はじめに道路ありき」で、道路にのみフォーカスがあっていてきわめて視野が狭い感じがしました。

 いわば、供給側しか見ていない。暫定税率を廃止してガソリンを値下げした場合、需要の価格弾力性は低いものと考えられるので、ガソリンの消費量はさほど増えず、環境への悪影響が著しく増えるとは考えられません。ガソリンへの需要の価格弾力性が低いということは、これはガソリンが生活必需品であることを意味していますが、生活必需品であるガソリン価格の値下げは、所得に関係なく、そして特に私の住む三重県南部や両知事の県のような地方であればあるほど生活によい影響があることがいえます。

 連合などの調査でも、ガソリンなどの値上げにより消費者の心理が冷え込んでいるとされていますが、暫定税率の廃止は悪化を緩和できる可能性があります。民主党側の戦術としては、特に地方に対して「ガソリン値下げによって、道路整備は遅れる可能性がありますが、皆さんの生活にはプラスの効果があります」ときちんとメッセージを伝えるべきです。

 では、道路建設に関する部分についてみてみます。まず、道路特定財源を一般財源化したときに、地方の受け取り分が減るのではないかと懸念する東国原知事の意見についてです。

  《《東国原英夫宮崎県知事》
「平等性ですが、道路特定財源を民主党は一般財源化(する)ということですが、一般財源化で非常に懸念しているのが、どういう風に地方配分を考えているのか。(中略)つまり、道路の整っていないところは余計にくれるのか。やってくれるのか。要望したい
《逢坂誠二民主党衆院議員》
「今の話は要するに今の道路関係譲与税ですね、(中略)今と同じ額が保証されるということで理解してほしい。」》
「【道路討論(5)】菅氏「道路は平等性が担保されていない」」政治も‐政局ニュース:イザ!
 財源の問題を信用するかどうかによりますが、現在と同じ金額が地方に、しかも使い道の縛りがなく渡されるわけですから、地元での議論を通じて、道路に全額使うべきだと判断されれば使えるわけです。なぜこれが問題なのでしょうか、私には理解できません。

 もちろん本当に今と同じ金額がわたされるのか、減収分の手当てができるのかという財源の問題を気にされることは当然です。しかし、

  《《麻生渡全国知事会長》
「お金をきちんと地方に今まで通り渡しますよ、ということを言っておられるが、結局は暫定税率の廃止によって2兆6000億円の減収になるわけで、この減収分はどうやって埋めるのかということについては、ない。》
「【道路討論(5)】菅氏「道路は平等性が担保されていない」」政治も‐政局ニュース:イザ!
 この制度はあくまで暫定の税制です。ですからこの問題については政府与党があらかじめ廃止後の収入のあてを考えておかなければならないものであって、考えていないとすれば現在の政府の怠慢です。ところが麻生渡福岡県知事の発言は、いわば政府が挙証責任を持つべきものを野党に転嫁しようとするものであり、いささか逆立ちした議論だといわざるを得ません。こういう理屈でしたら景気対策の減税などは一切できなくなるのではないでしょうか。

  《《東国原英夫宮崎県知事》
(前略)「従って、直轄事業負担金を廃止したとしても、県債ですね、つまり借金が減少するだけであり、実際に捻出(ねんしゅつ)される一般財源は11億円に過ぎません。暫定税率廃止による税収を補うことができないと危惧(きぐ)されます。」》
「【道路討論(3)】東国原知事「道路特定財源の確保を」」政治も‐政局ニュース:イザ!

 いささかめまいのするご発言で、なにをおっしゃりたいのかわかりません。借金が減るということならいいのではないでしょうか。もし以前と同額の支出をしたいのであれば民主的なプロセスを経て今までと同じように起債されれば良いわけです。

 このようにどうも麻生渡福岡県知事、東国原宮崎県知事のご発言は、一般財源化するという意味を理解していないかのように聞こえてしまいます。一般財源化とは、国がイニシアチブを取っていたものを、地方にオカネを渡すということです。今までどおり道路整備にも使えるし、地方によっては医療や教育にも回すことができる、その判断は住民の判断でやればいいという仕組みです。簡単にいえば国から地方へ「お財布をわたす」ということです。報道されているコンテクストではそのことが理解されていないようになっています。

 それにしても人事ながら気になるのは東国原宮崎県知事の立ち位置です。東国原知事は、なんの利権ともかかわりあいをもたず、市民の味方であるというスタンスで人気を集めてきましたが、このような発言を繰り返した場合、その評判にかげりが出てくるのではないかと心配です。

 またここで民主党の戦略に考えを移しますが、これまでのことを考えれば知事さんですらわかってくださらないかのように思われるのですから、世論に訴える時には、「一般財源化」とか「利権構造を解体する」とか抽象的なまま訴えても国民に届かないのではないか。

 特に、三重県南部では産婦人科医が激減してお産も地元でできない地域が増えてきています。高速道路を造ることもいいですが、医療などにもっと力を入れてほしいと考える方も、その考えはもっともなことだと思います。こういう皆さんの心に届くように、もっと具体的にしゃべらないといけないのではないか、私の過去の選挙での経験でも痛切に思います。

 先にも書きましたがもう一度繰り返します。「ガソリン値下げによって、道路整備は遅れる可能性がありますが、皆さんの生活にはプラスの効果があります」と力強くメッセージを伝えるべきだと考えます。

 

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