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2007年11月06日

小沢代表が辞意表明で行った問題提起

 先日の小沢一郎民主党代表の代表を辞任するとの記者会見には私も大きな衝撃を受けました。あれ以来、政治関係のニュースは、小沢代表辞任のニュースで持ちきりです。確かに大きな政局につながることでしょう。しかし、この問題は民主党にとって単なる政局だけの問題でしょうか。私には小沢一郎氏の問題提起を民主党内のどれほどの皆さんがきちんと受け止めているのか少し疑問に思っています

 小沢一郎氏の問題提起は、大きく分ければテロ特措法に端を発した外交安全保障政策問題と、民主党が今後予想される衆議院総選挙で勝ち抜くことは容易ではないという問題について行ったものです。

 これらの問題は特に民主党については、避けて通ることのできない大問題であるにもかかわらず、単に政局的な関心からのみスポットライトをあびています。これは外政そのもの、政党そのものの問題であって、単なる政局レベルに落として考えていいものではないことはいうまでもありません。どうしてもこれだけ耳目を引く問題が起きると、政局への影響はどうなのだろうかと考えてしまいがちですが、それで済ませてはならないと思っています。

 民主党が解散から衆議院総選挙への流れの中で主導権をとって戦うことができるのかどうかについては、「今まで一緒に戦っていたのだから、放り出さないで戦いましょうよ」とか、逆に「ここで放り出すのは無責任だ」とか、民主党内外の反応があまりにも情緒的に過ぎます。また、この問題は、民主党関係者がきちんと考える必要がある根本的な問題ですが、今のところは思考停止状態が続いています。

  《民主党はいまだ、さまざまな面で力量が不足しており、国民の皆さまからも「自民党は駄目だが、民主党も本当に政権担当能力があるのか」という疑問が提起され続け、次期総選挙での勝利は厳しい情勢にあります。》
小沢一郎民主党代表辞意表明文全文:「民主党代表としてけじめをつけるに当たり」
 という小沢代表の指摘は、民主党に属し真摯に地域活動をした経験のある人間なら誰もがうなずくところではないでしょうか。こういった「根本問題」に直面し、全力で取り組むことなくして小沢代表を慰留したり、ましてや非難してもまったく意味がないことに思えます。
 
  《その国民の懸念を払しょくするためにも政策協議を行い、そこでわれわれの生活第一の政策が取り入れられるならば、あえて民主党が政権の一翼を担い、参議院選挙を通じて国民に約束した政策を実行し、同時に政権運営の実績を示すことが、国民の理解を得て、民主党政権を実現する近道であると、私は判断いたしました。》
小沢一郎民主党代表辞意表明文全文:「民主党代表としてけじめをつけるに当たり」
 もちろん、大連立に関する小沢氏の隠れた目的の中には、政局を主眼としたものもあるのでしょうから、上の文章に表れたもの以外に隠されたものがあるのでしょう。ですから、ここで書かれた小沢氏の「手法」については、さまざまな受け止め方はあるでしょうし、あってしかるべきです。

 しかし、「手法」に関する議論は「根本問題」に関する議論よりも先にきてはなりません。「戦術」と「戦略」に食い違いが起きるからです。そこのところをきちんとわきまえる必要があります。

 私個人の意見としては、前にも《小沢一郎代表の「選挙は川上(一番弱い郡部)から攻めろ」という戦略といい、今回の幹部の「クラ替え」戦略といい、民主党内からはなかなか出てこない鬼手であり、選挙戦略として極めて適切だと考えます。》と書きましたように、選挙戦略に関して、小沢氏は弱冠47歳で自民党幹事長となっただけに他の追従を許さぬものがあります。日常活動の重視が必要という点や《日常活動には、地道に人間関係を作り上げていく自民党的選挙運動と、無党派層に対するアプローチがある。両方ともやることが大事だ。繰り返すが、民主党が天下を取るには、政策の明確化と日常活動の強化が不可欠だ》という点についても同感です。ですから、参議院選挙の結果についても、《民主党が攻め勝ったというよりも、与党側がけつまずいたという感が強いので、民主党も勝って兜の緒を締めなおさなければならないでしょう。》と考えています。

 それにしても、以前に

  《これから福田康夫政権は、民主党に対してテロ特措法などへの対応を逆手にとって攻勢をかけてきます。民主党からは、まさにこの機会に対中、北朝鮮外交を逆のテコに使うべきだと思いますが、党内情勢が許すでしょうか。いずれにせよ日米安保以来はじめて外交安全保障問題が政局の中心となります。これがどのような結果になるか。》
自民党総裁選開票結果
 と書きましたが、このような形でこの問題が噴出してくるとはまったく思いもよりませんでした。

 さまざまな揺り返しもあることですし、慰留に応じる可能性もあるでしょうが、小沢氏の問題提起にきちんと答えることが民主党の将来の発展の鍵となることは疑いがありません。

 

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