« 2007年10月30日 | Top2007年11月11日 »

最新記事【2007年11月06日】

 先日の小沢一郎民主党代表の代表を辞任するとの記者会見には私も大きな衝撃を受けました。あれ以来、政治関係のニュースは、小沢代表辞任のニュースで持ちきりです。確かに大きな政局につながることでしょう。しかし、この問題は民主党にとって単なる政局だけの問題でしょうか。私には小沢一郎氏の問題提起を民主党内のどれほどの皆さんがきちんと受け止めているのか少し疑問に思っています

 小沢一郎氏の問題提起は、大きく分ければテロ特措法に端を発した外交安全保障政策問題と、民主党が今後予想される衆議院総選挙で勝ち抜くことは容易ではないという問題について行ったものです。

 これらの問題は特に民主党については、避けて通ることのできない大問題であるにもかかわらず、単に政局的な関心からのみスポットライトをあびています。これは外政そのもの、政党そのものの問題であって、単なる政局レベルに落として考えていいものではないことはいうまでもありません。どうしてもこれだけ耳目を引く問題が起きると、政局への影響はどうなのだろうかと考えてしまいがちですが、それで済ませてはならないと思っています。

 民主党が解散から衆議院総選挙への流れの中で主導権をとって戦うことができるのかどうかについては、「今まで一緒に戦っていたのだから、放り出さないで戦いましょうよ」とか、逆に「ここで放り出すのは無責任だ」とか、民主党内外の反応があまりにも情緒的に過ぎます。また、この問題は、民主党関係者がきちんと考える必要がある根本的な問題ですが、今のところは思考停止状態が続いています。

  《民主党はいまだ、さまざまな面で力量が不足しており、国民の皆さまからも「自民党は駄目だが、民主党も本当に政権担当能力があるのか」という疑問が提起され続け、次期総選挙での勝利は厳しい情勢にあります。》
小沢一郎民主党代表辞意表明文全文:「民主党代表としてけじめをつけるに当たり」
 という小沢代表の指摘は、民主党に属し真摯に地域活動をした経験のある人間なら誰もがうなずくところではないでしょうか。こういった「根本問題」に直面し、全力で取り組むことなくして小沢代表を慰留したり、ましてや非難してもまったく意味がないことに思えます。
 
  《その国民の懸念を払しょくするためにも政策協議を行い、そこでわれわれの生活第一の政策が取り入れられるならば、あえて民主党が政権の一翼を担い、参議院選挙を通じて国民に約束した政策を実行し、同時に政権運営の実績を示すことが、国民の理解を得て、民主党政権を実現する近道であると、私は判断いたしました。》
小沢一郎民主党代表辞意表明文全文:「民主党代表としてけじめをつけるに当たり」
 もちろん、大連立に関する小沢氏の隠れた目的の中には、政局を主眼としたものもあるのでしょうから、上の文章に表れたもの以外に隠されたものがあるのでしょう。ですから、ここで書かれた小沢氏の「手法」については、さまざまな受け止め方はあるでしょうし、あってしかるべきです。

 しかし、「手法」に関する議論は「根本問題」に関する議論よりも先にきてはなりません。「戦術」と「戦略」に食い違いが起きるからです。そこのところをきちんとわきまえる必要があります。

 私個人の意見としては、前にも《小沢一郎代表の「選挙は川上(一番弱い郡部)から攻めろ」という戦略といい、今回の幹部の「クラ替え」戦略といい、民主党内からはなかなか出てこない鬼手であり、選挙戦略として極めて適切だと考えます。》と書きましたように、選挙戦略に関して、小沢氏は弱冠47歳で自民党幹事長となっただけに他の追従を許さぬものがあります。日常活動の重視が必要という点や《日常活動には、地道に人間関係を作り上げていく自民党的選挙運動と、無党派層に対するアプローチがある。両方ともやることが大事だ。繰り返すが、民主党が天下を取るには、政策の明確化と日常活動の強化が不可欠だ》という点についても同感です。ですから、参議院選挙の結果についても、《民主党が攻め勝ったというよりも、与党側がけつまずいたという感が強いので、民主党も勝って兜の緒を締めなおさなければならないでしょう。》と考えています。

 それにしても、以前に

  《これから福田康夫政権は、民主党に対してテロ特措法などへの対応を逆手にとって攻勢をかけてきます。民主党からは、まさにこの機会に対中、北朝鮮外交を逆のテコに使うべきだと思いますが、党内情勢が許すでしょうか。いずれにせよ日米安保以来はじめて外交安全保障問題が政局の中心となります。これがどのような結果になるか。》
自民党総裁選開票結果
 と書きましたが、このような形でこの問題が噴出してくるとはまったく思いもよりませんでした。

 さまざまな揺り返しもあることですし、慰留に応じる可能性もあるでしょうが、小沢氏の問題提起にきちんと答えることが民主党の将来の発展の鍵となることは疑いがありません。

 

 民主党小沢一郎代表が辞意を表明した11月4日の記者会見で同時に発表した「民主党代表としてけじめをつけるに当たり」の全文を資料として掲載します。この内容についての私の考えはまた後ほどアップします。

「民主党代表としてけじめをつけるに当たり」

 福田康夫総理の求めによる二度の党首会談で、総理から要請のあった連立政権の樹立をめぐり、政治的混乱が生じたことを受け、民主党内外に対するけじめとして、民主党代表の職を辞することを決意し、本日、鳩山由紀夫幹事長に辞職願を提出し、執行部をはじめとして、同僚議員の皆さんに私の進退を委ねました。

一、十一月二日の党首会談において、福田総理は「衆参ねじれ国会」で自民、民主両党がそれぞれの重要政策を実現するために、民主党と連立政権をつくりたいと要請するとともに、政策協議の最大の問題とみられるわが国の安全保障政策について、極めて重大な政策転換を決断されました。

 そのポイントは

(1)国際平和協力に関する自衛隊の海外派遣は、国連安全保障理事会もしくは国連総会の決議によって設立、あるいは認められた国連の活動に参加することに限る。従って、特定の国の軍事作戦についてはわが国は支援しない。

(2)新テロ対策特別措置法案はできれば通してほしいが、両党が連立し、新しい協力体制を確立することを最優先するので、連立が成立するならば、あえてこだわることはしない。

 福田総理はその二点を確約されました。これまでのわが国の無原則な安保政策を根本から転換し、国際平和協力の原則を確立するものであるだけに、私個人は、それだけでも政策協議を開始するに値すると判断いたしました。

二、民主党は、先の参議院選挙で与えていただいた参議院第一党の力を活用して、「マニフェスト」で約束した年金改革、子育て支援、農業再生をはじめ、「国民の生活が第一」の政策を次々に法案化して参議院に提出していますが、衆議院では依然、自民党が圧倒的多数を占めている現状では、これらの法案をいま成立させることはできません。逆に、ここで政策協議を行えば、その中で国民との約束を実行することが可能になります。

三、もちろん、民主党にとって次の衆議院総選挙に勝利し、政権交代を実現して、「国民の生活が第一」の政治を実行することが最終目標であり、私もそのために民主党代表として全力を挙げてまいりました。しかし、民主党はいまだ、さまざまな面で力量が不足しており、国民の皆さまからも「自民党は駄目だが、民主党も本当に政権担当能力があるのか」という疑問が提起され続け、次期総選挙での勝利は厳しい情勢にあります。その国民の懸念を払しょくするためにも政策協議を行い、そこでわれわれの生活第一の政策が取り入れられるならば、あえて民主党が政権の一翼を担い、参議院選挙を通じて国民に約束した政策を実行し、同時に政権運営の実績を示すことが、国民の理解を得て、民主党政権を実現する近道であると、私は判断いたしました。政権への参加は、私の悲願である政権交代可能な二大政党制の定着と矛盾するどころか、民主党政権実現を早めることでその定着を確実にすることができると考えています。

四、以上の考えに基づき、二日夜の民主党役員会において、福田総理の方針を説明し、「政策協議を始めるべきではないか」と提案いたしましたが、残念ながら認められませんでした。それは、私が民主党代表として選任した役員から不信任を受けたに等しいと考えます。

 よって、多くの民主党議員、党員を指導する民主党代表として、また党首会談で誠実に対応してくださった福田総理に対し、けじめをつける必要があると判断いたしました。


 


金子洋一「エコノミスト・ブログ」

 このブログは、私、金子洋一が、民主党三重5区衆議院議員候補、OECD等でのエコノミスト、大学講師などとして、政治や経済と格闘してきた過去の経験を活かして時事問題についての考えをお伝えするものです。


金子洋一プロフィール


現在、民主党参議院議員(神奈川県選出)、生活支援カウンセリング協会理事長。

これまでに、経済企画庁(現・内閣府)
OECD科学技術産業局エコノミスト
青山学院大学大学院国際マネジメント研究科兼任講師などを経る。

専門は、マクロ経済(景気)と消費者問題。詳細なプロフィールはこちら

 なお、このブログの記事内で意見にわたる部分は、私の個人的見解です。いただいたメッセージは私本人が必ず読ませていただき、今後の政策作りの参考にさせていただきます。直接ご返事を差し上げる場合もありますので、できればお名前とメールアドレスをお書きください。

ツイッター Twitter
ちょっとだけ注目記事
過去の月別エントリー
キャンペーン

リフレ政策を発動せよ

にほんブログ村 政治ブログへ

奉祝 親王殿下御生誕

北朝鮮による拉致に抗議します
金子洋一に連絡する

金子洋一メールアドレスはパソコンでご覧になれます

金子洋一へメールを送る