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2007年06月13日

竹中平蔵氏の日銀追加利上げ批判は妥当

 元・経済財政政策担当大臣、竹中平蔵氏については、小泉郵政民営化問題や、それに伴う秘書官の宣伝チラシ発注問題について取り上げて批判してきました。

 しかし、竹中平蔵氏の経済財政政策そのものについては取り上げてきていませんでした。では、竹中平蔵氏の経済政策について、とりわけ今一番のトピックである日銀による追加利上げについての考え方は一体どのようなものでしょうか。

「今年になって株価が上がっていない最大の理由は金利。日銀がデフレなのに金利を上げるのは前代未聞。あるデータによると、日銀は金利を3回上げたが、これがなければ日経平均株価は2万円を超えていたとされるが、日銀は自分たちの美学だけで金利を上げ、日本の成長を損なっている。日銀は仕切りなおしてほしい」「大阪経済部長の「日一日」、そして「夜一夜」」より引用
 これは、5月28日に開催されたJAバンクビジネスクラブセミナーでの竹中平蔵氏による日銀の金融政策、とりわけ追加利上げに対する批判ですが、実は、私もこの指摘にまったく賛成であることはご承知だと思います。

 私の過去のエントリーから引用すると、例えば、

「私は、このタイミングの利上げには反対です。確かに、追加利上げして、金利を上げておいた方が、日銀にとっては、金融政策の自由度が増すでしょう。しかし、日本全体の経済をみると今の段階で追加利上げをほのめかすならば、企業や家計の将来への期待が変化し、ただでさえ腰の弱い今の景気は、その勢いを失ってしまう危険性が大きくなります。」「日銀福井俊彦総裁の追加利上げ推進発言」より引用
 といった具合です。

 実は、日銀の追加利上げに反対するこのような見解はありふれたものだろうと思っていましたので、この意見の一致について取り立ててブログに書こうとは思っていなかったのですが、マスコミやお茶の間に名の通った評論家の皆さんの論調を見る限りそうでもないことが分かりました。むしろ竹中平蔵氏や私のような考え方は少数派のようです。

 もちろん、竹中平蔵氏が大臣としていわゆる「小泉構造改革」政策に重点を置いた点については的を得た政策だとは思えません。需要不足が原因で不況に陥ったという短期の問題に対して、構造改革や規制緩和によって供給側を強化するという長期の対策を打ってもはじまらないと考えるからです。

 しかし今となっては、より重要なこととして、おそらく竹中平蔵氏は、いわゆる小泉構造改革や不良債権処理のマクロ経済に及ぼす反動それ自体については熟知していて、例えば、銀行が、融資先への貸し出しを絞ったり、打ち切ったりすることによって急増するであろう企業倒産が原因となって、景気が一段と冷え込む可能性があるため、そこで生じるデフレ圧力を和らげるにはインフレターゲット政策などのリフレ政策が有効だという筋立てで考えているのだろうと推測します。

 考え方の筋道は私とは違いますが、いわゆる構造改革や不良債権処理が重要政策のテーブルに載っていない現時点で日銀福井俊彦総裁に求められる金融政策の在り方について、つまり追加利上げをただいま行うべきではないという意見については私はまったく同感です。

 また、現在、取りざたされる竹中平蔵氏の日銀総裁就任説についてですが、最近の福井俊彦日銀総裁や政策委員の発言を聞いていると、どうもかつて追加利上げにただ一人反対した岩田一政副総裁以外、日銀自体あまりにも金太郎飴的な組織になりすぎているのではないかと密かに危惧しております。やはり今の日銀に対しては、外部からのショック療法も必要ではないでしょうか。その任には竹中平蔵氏はふさわしいのだろうと思います。

 
 

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