文部科学省が、三重大学をはじめとした弘前大学(青森県)、群馬大学、山口大学といった地方に立地している各国立大学が地元の経済にどのくらい貢献しているかについて、大学からの支出による直接効果と、二次的な波及効果を含めた地元への年間の経済効果について調べました。これは、財団法人日本経済研究所に委託したものです。
各大学の経済効果は
三重大学 428億円 雇用創出数 6895人 運営費交付金 121億円
弘前大学 406億円 雇用創出数 6774人 運営費交付金 112億円
群馬大学 597億円 雇用創出数 9114人 運営費交付金 136億円
山口大学 667億円 雇用創出数 9007人 運営費交付金 136億円
実は、財務省では、教職員の人件費や研究費などに充てられる経費をまかなうための運営費交付金を削減しようと考えています。教職員数や定員などで大体の金額が決まる今の計算方法から、競争原理を取り入れて、研究成果などによって配分する金額を変える方法を取り入れると同時に、総額を削ろうというものです。
この財務省のやり方によりますと、運営費交付金は、地方の教育大学をはじめとした50校に対する交付金が、実績と比較して50%以上減ることになります。三重大学に対する運営費交付金も50%以上削られることになります。
文部科学省は、このような状況を打破すべく世論に訴えるためにこのような調査をしているのだろうと思われます。つまり文部科学省と財務省の戦いだということです。競争原理を取り入れるという財務省の考え自体は正しいと思いますが、地方にとっては大変に厳しいというのが本当のところではないでしょうか。
私の選挙区では、小学校、中学校、高校と地元で勉強してきて、地元で大学に通いたいと思っても、選択の余地がないため県外の都会にある大学に通い、結果として都会に就職して帰ってこないというパターンが大変に多くなってしまいます。私の妻も典型的なそのパターンでした。こうなってくると地元の経済にも活気が出てきません。教育費だけ掛けて、あとは都会へ行ってしまうのですから。何とか若者が定着してくれるような形を作らなければならないのですが、大学まで予算が切られるとますます厳しくなってしまいます。
では、「うちの県では、もう○○会館といった箱物はいらないから、教育に予算を回してくれ」とお願いをした場合にはどうなるのでしょうか。それも現在の政治のシステムではほとんど意味がありません。
教育に掛けられる予算は文部科学省の予算がほとんどですが、他の役所のいらなくなった予算を削って別の役所の新しい予算に回すという省庁間の予算の再配分は、縦割り行政の下ではほとんど不可能です。橋本龍太郎総理のいわゆる橋本行革などはこういう根本的なところに手を付けずに、霞ヶ関の省庁を合併させたり、名前を変えただけの省庁再編をやってお茶を濁しました。予算や補助金などのお金の流れにきちんと切り込まなければ、名目だけの改革に終わってしまいます。先日の小沢一郎代表の地方分権に関する党首討論にもありましたが、中央官庁の縦割りや補助金行政の今のやり方を変えなければなりません。
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