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2007年05月23日

小沢一郎代表:格差問題と地方への補助金

 小沢一郎代表は、先日の安倍総理に対する党首討論で、格差問題を取り上げ、中央官庁による国の補助金の箇所付けについて、以下のように、官庁による補助金の無駄遣いの典型例を挙げて論じました。

『全国を回ったが、所得の格差、地域間の格差が非常に広がっている。県庁所在地でも(商店街の)シャッターが下りている。過疎地はどんどん過疎が進んでいる。この5、6年のうちに、8兆円から9兆円の増税、保険料の負担増があった。財政が厳しいのは理解できるが、無駄遣いをなくすことを第一に心がけなければならない。』

 さらに、その具体例として

『福井県の美山町、今は福井市だが、道路の融雪施設がほしいとして、国土交通省に補助金をもらいにいくと、それだけではダメといわれ、スキー場も一緒に造ることになった。道路の融雪施設が、約3900万円、スキー場が4000万円、合計8000万円の補助金。ところが、スキー場は12年間一人も利用客がいない。市でもスキー場をやめようと決定した。スキー場建設の地元負担は1億円。こうした無駄遣いを洗いざらい整理すべきだ。』

 と論じました。

 驚いてしまう話ですが、この12年間閉鎖されたままのスキー場の名前は「ファミリースキー場オース」といい、合併前の旧・美山町(現・福井市)が平成3(1991)年、国の補助金のシステムである「雪国快適環境総合整備事業」を利用して、道路の融雪設備を作ろうとしたところ、国土交通省(旧・国土庁)から、スキー場を設置しなければ補助金をだせないと指導されたため、やむなく美山町は、町の予算約7800万円と国と県の補助金約6000万円の合計約1億4000万円を投じてスキー場を建設しました。ところが、完成後も、取り付け道路が完成しないままで、結局営業できず、そのまま閉鎖が今年決定されました。元々渋々作ったものですから、面積も小さく、滑走距離も約180メートルとまさにファミリー向けで、営業にこぎ着けたとしても赤字経営になったであろうことはみえていました。

 まったく無駄なことをしたものです。こういった税金の無駄遣いの根本的な原因として、

『中央(官庁)で全ての箇所付けをしている、各省庁の作ったメニューでなければ補助金が出せないところから無駄遣いが出てくる。これを改めて、一括して自主財源として自由に使えるよう地方分権を実現すると、我々は主張している。』

 と小沢代表は指摘しました。地方分権を実現すれば、なぜ地方の税金や補助金の無駄遣いがなくなるのかについては政府による三位一体の地方分権改革を批判したエントリーでご説明しました。

 このように、小沢一郎代表による格差問題への取り組みは、特に中央官庁と地方の補助金などに代表されるシステムを変えることによって、地方が自由に使える予算を持って政策判断をすることができるようにするという構造的な対処の仕方であるといえるでしょう。いわば、名前だけの「構造改革」ではなく、政治そのものの在り方を変えて、日本の政治行政のシステムを根本から変えることによって格差の問題を解決しようとする手法です。


 

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金子洋一プロフィール


現在、民主党参議院議員(神奈川県選出)、生活支援カウンセリング協会理事長。

これまでに、経済企画庁(現・内閣府)
OECD科学技術産業局エコノミスト
青山学院大学大学院国際マネジメント研究科兼任講師などを経る。

専門は、マクロ経済(景気)と消費者問題。詳細なプロフィールはこちら

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