食用のエスカルゴの養殖に成功した「エスカルゴ牧場」が日本にあると聞きました。調べてみたらなんと三重県松阪市。車で30分くらい、都会の人とは感覚が違うかもしれませんが、これは近い。しかし残念ながら私の選挙区である衆議院三重5区外。いやむしろ選挙区内だと、知りすぎていてあそこは自民党支持だから行くのやめておこうとか無用の雑念が入りますから、この際、松阪市でよかったのかもしれません。
このエスカルゴ、詳しくいえばリンゴマイマイ Helix pomatia略してポマティア。フランス語の通称がブルゴーニュのエスカルゴEscargot de Bourgogne。私も今回初めて知りましたが、通常我々がレストランで食べているものは缶詰でしかも中身は代用品だそうです。安いお寿司屋さんで「タイ」を食べたつもりが、本当は、味も見かけもほとんど変わらない「ティラピア」だったというのと同じでしょうか。
昭和天皇がヨーロッパを公式にご訪問になった時、香淳皇后とともに画家の村として有名なパリ南方のバルビゾンにあるレストラン・バ・ブレオーでエスカルゴをお召し上がりになりました。健啖家の陛下があまりにおいしそうにぺろりとお召し上がりになったので、お付きの者がお代わりをお持ちしましょうかとお尋ね申し上げたところ、「サンコ」とおっしゃたので、「三個ですか」と申し上げたら「Cinqはフランス語で5という意味だよ」と洒落をおっしゃったというのは有名な話でした。小さな生き物も大切にされた昭和天皇ですから、エスカルゴの養殖にもご興味をお示しになったに違いありません。
さて、世界的にも難しいとされているエスカルゴの養殖に成功したのは、高瀬鉄工所の経営者である高瀬俊英さん。ひょんなことからエスカルゴの魅力に取りつかれ、39歳の時、「三重エスカルゴ開発研究所」を設立し、フランスで入手した種エスカルゴを元に、高瀬鉄工所の裏側にハウスを作り養殖を始めたそうです。当時は、カタツムリは農水省によって有害動物として輸入は禁止されていたため、まずは禁止解除の掛け合いから始まりました。今まで費やした投資は約7億円。まだまだ採算レベルには到達していないらしいですがぜひともがんばってほしいと思います。
エスカルゴ料理専門のレストランもエスカルゴ牧場に併設されており、エスカルゴのバター焼きなどをはじめとしたレシピもそろっているそう。これも奥様のアイディアがこめられているのだそうです。なお、見学も料理も事前の電話予約が必要です。実は私もまだ行ってませんがぜひ妻の誕生日にでも食べに行きたいなと思っています。
その養殖のノウハウにも商業的な価値が大変にあることはもちろん、以前紹介した伊勢市のミニチュア姫路城のように、地元にオンリーワンの魅力がある施設が増えると観光客の皆さんも大勢来ていただけるので活性化にもつながります。既に7億円掛けているということですが、個人経営者にとっては莫大な金額です。こういう取り組みにこそ何か公的な手助けがあってしかるべきではないでしょうか。
参考情報
エスカルゴ牧場
(要事前の電話予約)三重県松阪市曲町78番地 TEL 0598-21-6417
伊勢自動車道松阪ICから車で5分 JR・近鉄松阪駅から車で15分





