経済同友会幹事の品川正治さんによる憲法9条講演会の内容に関する金子のメモの第三弾です。
・一番重要なポイントは、アメリカが戦争を今現在しているということだ。日本の政財官・マスコミは、日米の価値観は共通しているとして、ことを運ぼうとしている。戦争は価値観を転倒させ全てを動員させるものだというのは、小泉政権以降聴かないことはない。例えば、広島への原爆投下について日米で価値観が一致しているというのか。そういう形で政治経済すべてできるのか。なぜ価値観が違うことをはっきり言わないのか。なにを恐れて言おうとしないのか。
・経済について、日米の価値観が一緒であると言い出したために、ここ数年の小泉政権以降の日本経済の変貌ぶりはかつてからは想像できない。雇用はメチャメチャ。リストラだけでなく、市場原理主義的経済政策を小泉・竹中コンビがやったため、資本に有利になってしまった。市場原理主義的経済政策は、グローバリズムという言葉で言われる一つの大きな潮流。アメリカのいうグローバリズムは、決して経済用語でなく戦略用語である。米国に有利なことを押しつけてくる口実である。彼らは「米国資本主義が最も正しく、日本のそれは修正資本主義である。だから米国式に近づけることが正しいことである。」と主張してくる。資本家のために資本主義が米国のやり方。一方、日本は国民が成果を分ける資本主義である。現在世界で第2位の経済を作り上げた。このやり方のどこが悪いのか。都市と農村、産業間格差を少なくしようとすることが、どこが不都合か。
・米国のやり方を押しつけてくることが、今経済で起きている基本。ここで一番邪魔になってくるのが、日米の価値観が違うことを明示している憲法9条である。
・今の市場原理主義は、かつてのアダムスミスの時代の事業をするための資本主義ではなく、単に利潤を求め動き回っている資本主義。短期的な利益を目的とした合併、M&Aなどが毎日起きている。
・私(品川正治さん)は損保会社の経営者だったが、資本家のために経営をしてきたわけではない。そんなDNAは、日本の経営者にはない。社員の給料を削る前に自分の給料を切るのが日本のやり方だ。一方で、アングロサクソンは、リストラすればするほど自分の給料が上がる。まったく異なる経営方針だ。許せない。利益を求めて資本が動き回っている。市場に全てを任せようということは許せない。同じ経営者でも、共犯者には絶対なりたくない。私(品川正治さん)は、徹底的にこの点を批判していくべきだと思う。
・「規制緩和」
日本の経済が、終戦後のゼロから復興したが、戦争中の国家総動員法以来の規制があちこちに残っていた。それを減らそうという問題意識は間違っていない。しかし、小泉総理が「改革なければ成長なし」とスローガンを叫んでからは全ておかしくなった。規制緩和が大企業のためのものになってしまった。中小企業や地方の企業はやっていきようがなくなってしまった。
・「官から民へ」、「大きな政府から小さな政府へ」
100%ごまかしのスローガンだ。政府の公務員の人口当たりの比率は、先進国中最低。全く大きな政府ではない。今、外務省関係の仕事をしているが、外務省がイタリア並みの公館を海外に持とうとすれば外務省の定員をあと1000名増やさなければならない。フランス並みにしたいなら倍増させなければならない。また、福祉関係の予算も、対GNP比でみると日米は先進国中最下位を争っている。
・大きな政府と言えそうなのは政府の借金だけである。しかし、これはバブル崩壊の時に、企業社会が崩れかけ、それを救済するために個人の家計から借りたもの。なのに企業側は、財政危機だと称して、年金、健康保険で家計負担をあげて財政を救済しようとしている。企業社会は、やっていることが無責任である。
・現在、企業は過去最高の利益を上げている。それなのに法人税を下げろといっている。ばれれば反発がくるので、これを覆い隠すために、政府は公務員が多い、ということに論点をすり替えてしまった。まやかしのスローガンである。
・実は、こういった動きと重大な関連があるのが、米国政府から宮沢内閣以来毎年送られてくる「年次改革要望書」である。
・「価値観が一緒」という言葉が、日本の社会を痛めている。はっきりと「日本とアメリカは違う」というだけでこれまでの問題は消える。経済の成長を国民と分けてなにが悪いのですか。世界第2位になった世界に冠たる経済モデルではないですか。それを、米国式と違うとして変えさせようとしているのがアメリカ。追従しているのが日本の経済界である。
(以上)
品川正治さんの講演について
経済同友会幹事の品川正治さんによる憲法9条講演会
経済同友会幹事品川正治さん憲法講演会内容1
経済同友会幹事品川正治さん憲法講演会内容2
経済同友会幹事品川正治さん憲法講演会内容3





