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2007年05月12日

景気動向指数一致指数、50%を下回る

 内閣府経済社会総合研究所景気統計部発表の景気動向指数一致指数が、3ヶ月連続50%を下回っています。これは、5月9日公表の3月分DI速報値により明らかになったものです。

 この景気動向指数は、半月から2,3ヶ月ほど景気に先んずる先行指数、景気とほぼ一致して動く一致指数、景気に半年から1年ほど遅れて動く遅行指数の3つからなっています。50%を基準として、50%超は良い、50%未満は悪いと読みます。

 自分の略歴プロフィールには、細かいことなのであまり書きませんでしたが、私は景気動向指数による景気の判断及び予測を平成4(1992)年から6(1994)年まで、当時の経済企画庁調査局景気統計調査課の総括班長として担当していました。景気動向指数の見直し作業や、時系列分析、平成景気の山の決定など大変に勉強になりました。当時の景気動向指数と現在のものとでは基本的に大きな違いはないのですが、ただ一点、当時はよく使われていた判断法があります。

 それは、「3か月連続基準」というもので、「3ヶ月連続、一致指数が50%未満になると景気は後退期に入った」、あるいは、「3ヶ月連続、一致指数が50%を超えると景気は回復期に入った」と判断するものです。これはそれまでの景気動向指数の動きから、編み出された経験則で、1992年以前にはほぼ完璧に当てはまっていました。

 当時の総括班長としては、記者会見や個別の取材で、「3か月連続基準から見てはもう景気は後退局面になるのではないですか?」などとかなりしつこく聞かれた覚えがあります。

 この経験則に基づいて、現在の景気動向指数(DI)の数値を見てみますと、今回発表の一致指数は、平成19(2007)年1月分から3ヶ月連続で50%未満となっています。先行指数を見ても、昨年の7月分から連続して50%以下となっています。この経験則から判断すると、今回の景気は昨年12月に景気の山を迎え、景気の拡張期間は59か月でいざなぎ景気越えが達成された、ということになります。

 実際の景気の山谷の決定は、ブライボッシャン法という一種の移動平均に基づいた計算方法を用いて景気動向指数研究会(当時は景気基準日付検討委員会)などの検討を経て行われますが、誰もが簡単に行える経験則で判断すると、今回の景気回復期はいざなぎ景気を越えたものの、もう既に後退期に入ったということになります。

 ところで、塩崎恭久内閣官房長官は、景気動向指数の発表を受け次のように答えています。

「経済は総合的に判断していかなければならない。基本的には、経済情勢について、慎重に注意深く見守り、安定成長が続くよう、手立てがあれば打っていくということだ」とし、景気の踊り場入りとの見方に関しては「総合的に判断するという意味においては、そういうこと(踊り場入り)を判断する時期ではない」と否定的な見解を示した。

 その上で、「基本的には(日本)経済はしっかりしていることは間違いない。今日の株価は上がっており、(企業)収益もまずまずだ。雇用指数も悪くなく、所得環境も基本的にいい地合いが続いている」(ロイター)


 ということですが、景気動向指数の一致指数は、もともと、経済の状況に関する重要な経済指標を総合的に組み合わせたものですから、「その上で」以降の発言は言わずもがなで、いささかピントはずれに聞こえてしまいます。

 バブル崩壊の時の教訓として、我々は、変に判断に手心を加えるよりも、統計データを虚心坦懐に眺める方がよっぽど当たるということを学んだと思うのですが、さて皆さんはどう判断されますか?


 

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