三重県議会議員選挙開票結果を注意深く見ていると、建設業界の応援を受けている候補者の獲得票数が思ったほど伸びていないことに気づかれた方も多いと思います。あれだけ多くの建設会社が応援しているにもかかわらず、トップからほど遠い成績であったり、楽勝を予測されていながら、我々の仲間の候補に迫られたりといった状況でした。建設会社の動きが今回鈍ったという印象を持った方も多いことでしょう。私も同感ですが、その原因はなんでしょうか?
最近の公共事業を巡る動きとして、公共事業の総額自体が激減しており、今後もさらに減るであろうことと、公共事業での指名競争入札が実質的に廃止になり、口利きの余地がほとんどなく談合がしづらい一般競争入札が中心となることがあげられます。このことが、建設業界の動きの鈍さにつながったとみるべきでしょう。
論より証拠でしょうから、新聞報道から引用します。
まず典型的な例として、北九州市長選挙を取り上げます。この選挙では、民主党の北橋健治さんが衆議院議員を辞職して立候補し、元・国土交通省局長の与党候補に圧勝したことは記憶に新しいことと思います。
その元・国土交通省局長の候補の総決起集会では、
『1000人を超える参加者の大半は、企業動員のビジネスマンや作業員ら。壇上から「野党出身の市長では中央とのパイプがなくなる」「公共事業が減らされ、企業も来ない」と声をからす自民党の大臣経験有力議員らの訴えに建設業関係者は冷ややかな顔でこう話した。「国交省の官僚が出てるのに、ゼネコンも地場業者も動いてない。せいぜい動員に付き合うだけさ」』『地方の自民党組織を支える建設業界だが、今回は事情が違った。相次ぐ談合の摘発で入札制度が変わり、競争激化で利益率が大幅に低下。公共事業の予算も削減されている。利益誘導と締め付け。つまり、アメとムチという旧態依然とした選挙手法は今回通用しなかったことになる。』毎日新聞2007.02.07
国土交通省の元局長といえば、今までの選挙手法が有効ならば大変に強力な利権集団の中核になりそうなものですが、結果は惨敗でした。政令指定都市の市長という執行権を持つ強力なポスト争いでも、入札制度の改革により与党の選挙手法が通用しなくなったことが示されています。
全く同様のことは、名古屋でも起きているようです。
『建設業者の選挙離れには別の要因もある。候補者の陣営幹部は、「指名競争入札が減り一般競争入札が増えたので、建設業者に頼んでも、口利きなどの『お返し』ができない。だから建設業者に支援は頼めない」と打ち明ける。さらに公共工事の減少もある。名古屋市内の建設業関係者は、「公共事業の予算が減っており、候補者を支援しても、うまみが薄れつつある」と話し、選挙戦にも変化の兆しが見えている。』2007.04.07読売新聞
もちろんここで取り上げられている名古屋市や北九州市は大都市です。三重県南部とは状況は異なりますが、しかしおそらく動いていく方向は数年遅れとなっても同じだろうと思われます。
次回は知事選挙を例にとってみます。(公共事業が減って選挙が変わったか?2:知事選挙の例)





