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2007年04月17日

公共事業が減って選挙が変わったか?2:知事選挙の例

 前回は、公共事業の減少や入札制度改革の選挙への影響について、北九州市長選挙を例に取り上げましたが、さらに強力な執行権を持つ都道府県知事ではどうでしょうか。

 まず、知事選挙全体を見渡しますと、今回の実施の13の都道県知事選の当選者のうち中央官僚出身は十人でした。非改選を合わせた全国47都道府県知事のうち、官僚経験者は31人だそうです。最多は、旧・自治省などの総務省が13人、続いて、旧・通産省の経済産業省が9人です。

『経産省が“躍進”している背景には、公共事業費の削減が進み、企業誘致など産業政策の重要性が増しているためとの見方がある。同省出身の自民党衆院議員は「産業界とパイプを持つため白羽の矢が立つケースが増えている」と話す。』2007.04.09【共同通信 秋田魁新報】
 ここでも最近公共事業費が減ったことによって、単に予算をひっぱるだけではなくて、頭を使う必要性が知事の出身官庁の構成を変えてきていることが示されています。例えば、先日の岩手県知事選挙で圧勝した達増拓也知事は、42歳で私の大学時代の政治学ゼミ(佐藤誠三郎先生)やサークルの一年先輩ですが、地方にはなんの利権もない外務省出身です。

 また、東国原英夫(そのまんま東)知事で今も話題の宮崎県を取り上げてみますと、東国原英夫(そのまんま東)知事は、今年度中に、公共事業の入札制度を改革し、指名競争入札をやめ、一般競争入札の対象工事を現在の「予定価格が原則1億円以上」から「250万円以上」に拡大する予定です。この動きを、業界も敏感にキャッチしたようです。

『宮崎県議選で、建設業界の動きが以前より目立たない。東国原英夫知事が指名競争入札を廃止する入札制度改革を打ち出したのが効いている。指名業者に入れてもらう口利きを県議に期待しにくくなるから、選挙で支援するうまみはない。そんな業者の思惑が静かに広がっている。』

『多くの出陣式で、作業服を着た業者が大挙して最前列に並ぶ風景は消えた。別の現職は「業者の手伝いも政治献金もなくなった」と語る。かつては事務所の壁に200枚以上張られた建設業者や業界団体からの推薦状が、今は10枚しかない。』

『宮崎市のある業者は、県の入札制度改革は政治家との関係を一変させると言い切る。「一般競争入札になれば、指名に入れてもらうよう議員に口利きを頼むこともなくなる」』2007.04.05朝日新聞


 宮城県は、県が公共事業で入札の基準として算出した予定価格と、実際の落札額の接近率を示す「平均落札率」において全国トップで、驚いたことに96.6%もの高率だそうです。ちなみに全国最低は、今回の東京都知事選挙に出馬した浅野史郎前知事が入札制度改革を行った宮城県で、約75%でした(残念ながら過去形になってしまいました。)。この平均落札率は高ければ高いほど談合が行われた可能性が強いと考えられています。

 また、宮崎県でもご多聞に漏れず、県庁職員と政治家の癒着があったようです。

『元県幹部は公共事業の担当部局にいたころ、複数の県議に「いいポストに就けるよう動いてやる」と選挙区への工事発注を迫られたと明かした。』2007.04.05朝日新聞

 昇進をエサに釣ってくるとはなんとも露骨なものです。これはあくまでも一般論ですが、できの悪い子弟の就職をエサにするケースもあるようです。

 いずれにせよ、公共事業の削減と、入札制度の指名競争入札から一般競争入札への改革は、談合による不当な利益がなくなることによって建設業界から自民党への見返りの支援を激減させるというのがマスコミの見立てのようです。

 さて、確かに入札制度の一般競争入札への改革は、談合を減らす上で大変な効果があるようです。しかしここで新たな問題は、そのあおりで地元で真面目に営業している建設会社まで、倒産あるいは都会の大手ゼネコンの子会社になったりしてしまうことです。価格競争では大手ゼネコンに勝てる地元業者はいないでしょう。はたしてそれでいいのかどうか。これは地元住民の価値判断を踏まえて、じっくりと考えるべきところではないでしょうか。
 

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