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2007年04月12日

インド、中距離弾道ミサイル実験成功で中国を射程距離内に

 インドは、核の先制不使用を宣言した上で、最低限の抑止力保持を目的とするとして、北京などの中華人民共和国の主要都市を射程距離内におさめることができる新型中距離弾道ミサイル「アグニ3」の発射実験に成功しました。

 既に、中華人民共和国側は長距離弾道ミサイルを保持しておりますし、また、インドの中距離弾道ミサイルアグニ3については、陸上発射のものとしてはさほど半数必中界も小さくなく(つまり、命中精度が低く)、もともと核戦略上の先制攻撃用には使いようのないものだろうと思われますが、インドの仮想敵国である中華人民共和国の心中は穏やかならぬものがあるだろうと思われます。

 その証拠に、傲慢きわまりないと悪評赫々たる中華人民共和国外務省の秦剛副報道局長は、「インドが地域で重要な影響力を持つ国として、平和と安定を促すため、積極的な貢献をし、役割を果たすように希望する」と述べたそうです。

 かつて、毛沢東は、中華人民共和国には何億もの人民がおり、仮に何万人もの人々が米国の核兵器によって殺されても、国力にはいささかの翳りもないと嘯きましたが、自国以上の人口大国のインドには、その強気も通用しないでしょう。

 そもそも現在の中華人民共和国の経済成長は、我が国の高度成長期と同様に、農村部からの過剰人口が工業分野で労働力と化しているという一度経過すれば再現不可能な現象と、人民元の将来の値上がり期待による外国からの過大な投資によるところがほとんどだろうと考えています。農村部の過剰人口が解消されたり、米国や日本で第二次世界大戦直後に生まれたベビーブーマー達が貯蓄や年金を取り崩し始めて、世界的な資金不足が生じれば、たちまち成長に急ブレーキがかかることに疑いはありません。

 また、インドにはとうの昔から存在する民主的な政治体制が中華人民共和国には欠如するなど、政治的なインフラがないことは致命傷です。例えば、第二次世界大戦が終わってからインドには大規模な飢饉はありませんでしたが、中華人民共和国は、一人当たりの経済規模はインドを上回るものの、飢饉や災害の被害を食い止めるだけの政治体制の成熟にかけています。

 現在、中華人民共和国の温家宝(ウェン・チアパオ)首相が訪日中です。今日12日は、国会では、日本の「反省」を評価し、経済協力を期待する演説をし、また創価学会の池田大作名誉会長と会談したそうです。江沢民体制との違いを指摘する向きもあるようですが、中華人民共和国の微笑外交は、彼の国一流の外交戦略の一環であることは当然です。このインドの中距離弾道ミサイルアグニ3発射実験成功によってますます友好の仮面をかぶったアプローチに拍車が掛かることでしょう。こんな幼稚な手法に、我が国政府および諸政党がひっかかりませんように。


 

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