三重県知事選挙も近づいてきました。野呂昭彦三重県知事は、2月22日の三重県議会での答弁で、未来塾の岩名秀樹県議(四日市市選出)からの、「政府による三位一体の改革を、野呂昭彦三重県知事は、だましの改革であると三重県内外で発言しているが、真意はどうか。三重県議会で改めてその説明を。」という質問に対して、
『税源移譲された国庫補助負担金の内容を見ると、地方の裁量拡大につながらない義務的なもの。平成15年度と18年度(見込み)の決算を比較すると、県税収入は329億円増加しているが、地方交付税等は648億円減少し、県税収入の増加が実感できない。これらから、国の財政再建を優先し、地方に負担を押しつけた遺憾な結果だ。』
と答えています。実は、私なども参加した非公開の朝食会などではもっと厳しい表現を使っていますが、全国の知事の中でも、政府の三位一体の改革をここまで明確に批判している知事は数少ないのです。地方の厳しい状態を明確に表現していただいて大変に心強い限りです。
そもそも、地方への財源移譲が財政の正常化につながる最大の原理は、「自分のお金は無駄遣いしない」からということです。
経済学的に言えば、地方公共団体の財政支出で得られる限界的な効用=得られるメリットと、限界的な費用=必要な支出が一致したところで財政支出が決定されます。
支出が100%自前の財源でまかなっていれば、
地方公共団体の限界的な効用=地方公共団体の実質的な支出
つまり
地方で得られるメリット=地方で負担する金額
といった仕組みで、地方の支出がきまります。ところが、今のように、使い道を決められた、いわゆる「ひもつき補助金」であれば、国からの補助金が例えば50%あれば右辺の「地方公共団体の実質的な支出」が、10億円の公共事業を行っても、実質的な負担は5億円になってしまいます。この結果、国全体で見ればそれほど必要とされていない支出も行われてしまい、地方公共団体の支出は過大になります。
一言でいえば、『人のお金が多ければ多いほど(つまり、補助金の率が高ければ高いほど)だと、自分の懐が痛まないので無駄遣いする』ことになります。
では、国からの補助金は常に悪なのでしょうか。いいえ、その補助金が一般財源化され、地方で使い道が自由に決められるものならば、そうなりません。もとは国から来たお金であっても、いったん自分のお金になれば節約する動機が生まれるのです。例えばその自治体が、もう貨物のための港や箱物は十分作ったと考えれば、そのお金を他の分野にまわすことができるからです。ひもつき補助金では、省庁が使い道を決めてしまうためにそうはいかないわけです。
ところが、残念なことに現在の政府による三位一体の改革は地方の裁量を認める形にはなっていません。地方の心理(動機や誘因・インセンティブ)を考慮に入れたものではなく、野呂昭彦三重県知事が指摘するように、単に会計上の切りつめをめざしたものに過ぎません。今の時代、法的規制や罰、単なる指導によってだけでは、地方が中央の思いどおりに動くものではありません。そういったネガティブなもので、人間が動く時代が終わっていることは誰もが知っていることでしょう。これでは、本当の意味での財政支出の合理化にはつながりません。地方への補助金は、ひもつき補助金ではなく、一般財源化される必要があります。一般財源化されれば自ずと節約する気持ちが生まれます。
こういった問題意識を強く持ってみえる野呂昭彦知事には引き続き県政を担当していただきたいと思います。三重県知事選挙は3月22日に告示となり、4月8日に投票となります。野呂昭彦知事にはぜひとも勝ち抜いてほしいと思います。
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