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2006年11月14日

米国中間選挙共和党敗北とリバタリアン

 アメリカで11月7日に行われた、日本の国会にあたる連邦議会の中間選挙は、おおかたの予想通りの下院だけでなく、上院でも民主党が多数派となり、結果的には、民主党の勝利となりました。

 日本の政局との関連で、今回の選挙で注目すべきは、民主党の積極的な勝因というよりも共和党がなぜ大きく負け越したのかということだろうと思います。

 これまでの、共和党の支持層は、保守的キリスト教徒(道徳的保守層)、ビッグビジネス(大企業)、リバタリアン系保守層(リベラルとも保守主義とも異なる自由放任主義的な政治思想)、ネオコン系保守層(ネオコンサバティズム、新保守主義)という異なった支持層を束ねることで実現していたといわれています。

 ここで、今回の共和党敗北の原因を探る観点からは、リバタリアンが共和党から離れたということが重要です。

 リバタリアンLibertarian、または、リバタリアニズムLibertarianismとは、私有財産制を、個人の自由を確保する上でもっとも根本的な制度と考える主義主張です。個人は、自由を侵すか又は他人への害とならない限りにおいて、自分とその財産を自由に出来るべきであると考え、政府のあり方については、さまざまな自由を保障するためにのみ、必要最小限の規模で存在すべきだと考える思想です。経済的自由を重視する点でリベラリズムとは対立し、個人的自由も重視する点で保守主義とも異なります。

 日本人からの印象だけからすると、いわゆるコンドリーザ・ライス国務長官などにみられるようなネオコン、ネオコンサーバティブと似ていますが、リバタリアンは、イラクへの米国の介入を支持しない点で、ネオコンとは大きく異なります。

 このリバタリアン的発想の人々が今回の中間選挙で、従来から支持していた共和党を離れたことが選挙のいく末を決めました。一説には、米国有権者全体の10%前後がリバタリアンだといわれますが、彼らが、大きな政府、とりわけ財政赤字、政府によるインターネットや電話の盗聴、イラクへの介入について、政府の政策に批判的になったことが今回の敗因だろうと思います。日本でいえば、与党についていた公明党さんが、野党についたくらいのインパクトでしょうから、ずいぶん大きなものです。

 さて、伝統に根ざした発想を「保守的」というならば、米国におけるリバタリアニズムは、米国の成り立ちに根ざす「保守的」な発想です。日本では、前の内閣の政策が「経済的リバタリアニズム」とも呼ばれたものでしたが、じっくりと考えてみれば、国債発行額年間30兆円の公約を守らなかったことなどを考えあわせるとそうでもなく、むしろふわふわとしたムードだけ、上っ面だけのものでした。(そのこと自体を批判することは、ここでの目的ではありません。)こうした動きは本家本元のリバタリアニズムというよりも一種独特の日本的ポピュリズムとでもいうべきものでした。日本の場合は、こういった思潮は今後どこへいくのでしょうか?


 

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