先日のエントリー『親王ご誕生!』に対して多くのコメントをいただきました。大変にありがとうございました。
私の過去のブログを読んで頂いたり、あるいは新聞に書かれていることをご存じの方に対しては、あえて補足のご説明をするまでもないと思っておりましたが、老婆心ながら新たに書き込ませていただくことにしました。
さて、死者は墓石で投票するか?でも、書きましたように、私が小泉総理の皇室典範改正問題、ひいては皇室そのものに対する態度が不適切であると考えている理由は、以下に既にお話ししました。
『或るとき、小泉首相は伝統に従い三権の長、閣僚らと共に回廊に控えていた。席からは、奥の様子を窺い知ることは出来ない。やがて、首相は宮内庁長官に、陛下は一体どんなことをなさっているのかと尋ねた。祭祀は祖先神への祈りであり、感謝であり、それを陛下がどのように行われるのか、知る由はない旨長官は答えた。すると、首相が厳しい表情で呟いたという。「改革だ」と。回廊を充たす静寂をわずかに震わせた首相の呟きが、いまや、有識者会議の報告書となり、皇室の在り方を根本的に変えようとしているのだ。』 櫻井よしこ「小泉首相の無関心が招いた『女帝論議』の誤り」皇位継承については、特に知見もないことから発言は差し控えてきましたが、短期間の審議会での議論で結論を出し、その結論を「愛子さまが皇位につけなくてかわいそう」、「天皇が男性でなければならないのは女性差別」といった、それ自体は反対できないのですが、悪用されやすい議論にのせ、単純化した命題で、世論を誘導しながら、無理矢理通そうとする。これは、郵政民営化法案を、国民の間の公務員バッシングを利用して総選挙に勝利し、成立させたのと全く同じやり方です。小泉総理の脳裏にあるのは自分の政権の支持率だけです。
皇室典範の改正の手続きについても、誰が選んだのかまったく明らかでない「皇室典範に関する有識者会議」が、一年あまりでたった17回、合計34時間審議しただけです。しかもその議事の詳細はまったく公開されていなかったと思います。座長の吉川弘之氏はロボット工学の専門家だということですが、ロボット工学と皇室と何の関係があるのでしょうか?日本史やせいぜい家族法の大家がつくべきだったのではないでしょうか?
私の経験した例を挙げれば、たかだか5年、10年しか有効でない、かつての経済計画を作る際にも、政令に基づいて経済審議会を設置・招集し、その下に複数の専門部会をおき、毎年のフォローアップと呼ばれる見直しの上に加えて、パブリックコメントをつのり、2年以上のべ数十回にも及ぶ審議をしていました。
一年あまりで17回、しかも非公開、国民の声も聞かないということでは、これはせいぜい、悪名高い「局長の私的勉強会」扱いにすぎません。皇室典範の改正は、経済計画よりも軽いものでしょうか?私の答えは明らかに「ノー」ですが、コメントをいただいた方の中には「イエス」、これでよいとお考えの方が大勢おいでのようです。私が反対しているのは、『単純化した命題で、世論を誘導』し、民主的な手続きを無視する手法です。
民主党のマニフェストについても、おたずねをいただきました。紀子さまご懐妊前に取りまとめられたマニフェストについて、今となってはコメントする必要もないとお考えの方も多いと思いますが、あえて私の考えを申し上げれば、小泉流のやり方でなく時間をかけ、きちんとした国民的なコンセンサスを求めて、皇室典範の改正の必要性の有無について議論をすべきという考えです。
女性天皇についても、過去、皇室が即位適齢期の親王がいないなどの理由で、断絶の危機に立った際には、何回も女性天皇が即位してきました。このような先例があるのですから一部の論者がいわれるように一概に否定すべきものではないと考えております。以上申し上げましたように、民主党のマニフェストにはまったく異議を唱えるものではありません。
また、私の発言が「品性下劣」であるとのコメントもたくさんいただきました。昔から自分が正しいと思ったことをズバリ発言してしまう癖がありまして、この点は平にお許し下さい。
最後に、以前ある方から頂戴したコメントですが、大変私の心に残ったものがありましたので紹介いたします。『小泉首相は日本人の…というより人間の心も改革の名の下にコントロールしようとしているような気がしてなりません。』
以上、私の意見を申し上げました。





