私の地元の志摩市の英虞湾や南伊勢町(旧・南勢町)の五ヶ所湾で、真珠養殖に使うアコヤガイが、海水の温度が例年と比較して極めて低かったことが原因で大量死してしまっています。
伊勢市にある三重県真珠養殖連絡協議会の推計によれば、十七億円もの損害が出たということです。海での養殖の場合には、さまざまな制約から損害保険をかけることができないと聞いております。ただでさえ外国産真珠との競争が厳しい中でこの災害です。人力ではどうにもならない大変なことで、被害に遭われた真珠養殖に携わっている皆様や関連の皆様にこころよりお見舞い申し上げます。
今回の被害は、低温が原因でしたが、赤潮も養殖魚介の斃死の原因となります。赤潮が発生するなど海水が富栄養化している湾の浄化には、高度処理型合併浄化槽の導入が極めて有効です。これは、処理水の中の窒素を通常の合併浄化槽よりも多く取り除くものです。
生活関連の社会資本として、下水道を普及させることも、もちろん大切です。しかし、人口密度が極めて低い地域では、建設費用や期間の面では合併浄化槽と比較すると劣ります。合併浄化槽は、設置もすぐにでき、建設費用も下水道と比較して安いのです。また、特殊なものでは、地震などの災害時に処理をした水を利用することも可能です。
現在は、生活排水処理をせずにし尿の処理だけを行う単独浄化槽の新設は法律で禁じられていますが、一歩進んで、単独浄化槽を高度処理型合併浄化槽に置き換えることを政策的に促進するなどして、英虞湾、五ヶ所湾のみならず、高度処理型合併浄化槽の三重県南部での普及をできるかぎり進めていく必要があります。
また、意外に思われるかもしれませんが、湾の水質問題に関して、森林が関与する割合というのも大変に大きいものです。外材との競争により、日本の林業の疲弊は目を覆うばかりものです。ほとんどの山では、間伐が経済的に割に合わないということから、人の手が入らずどんどん荒れてしまってきています。民主党の政策には、「みどりのダム」構想というのがありますが、これは、年間予算2500億円かけて、間伐などを公共事業として行うというものです。公共事業といえばどうしてもコンクリートを使うものだと思いこみ勝ちですが、このような取り組みが、この地域では特に必要であると考えています。
美しい海は、観光資源であるとともに、漁業のもととなるものです。伊勢志摩、吉野熊野と二つの国立公園があるこの県南部の沿岸をいつまでも自然のままに保ちたいものです。





