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2006年04月21日

不況でも個人金融資産がふえる理由は?

 平成17(2005)年の個人金融資産の残高が、1508兆円と1500兆円をはじめて上回りました。『なぜ、不況でも、日本の個人金融資産は増え続けるのか?』という質問は、おそらく誰もが持つ疑問ではないかと思います。

 例えば、著名な評論家の大前研一氏も、日銀の発表を受けて次のように述べています。

『2004年末の1433兆円と較べて約75兆円増。率でいえば実に前年比5.2パーセントもの伸びである。いうまでもなくこれは1979年の調査開始以来、最高額である。

 意外に思われる方もいるだろう。バブルが弾け、「不況だ」「未曾有の就職難だ」といわれ続けていた90年代にあってすら、実は着々と個人金融資産は増えているのだ。なぜこのようなことになっているか。』
「大前研一:格差社会・日本を数字で裏付ける」
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/column/a/26/


 「不況」と「個人金融資産の増加」が両立することは、我々の実生活に引きつけて考えれば、店の売り上げがちっとも上がらないのに、お店の貯金だけが増えていく、そのようなマジックにも思えるかもしれません。

 実はこのマジックにみえることが、まったく不思議でもなく、不況のメカニズム自体が密接に関わっているといったら、驚かれる皆さんも多いと思います。(大前研一氏も驚いてくれるかもしれませんね。)そこで、このブログでは、しばらくの間、この「不況と個人金融資産の増加の両立」というマジックの解明に取り組んでみたいと思います。ちょっと込み入った理屈にもなるかもしれませんが、できるだけ判りやすく説明したいと思います。

 さて、ひとことで言いますと「お金を、必要以上に貯金しすぎると、不況が起こる」のです。これは、マクロ経済学の仕組みの基本といってもいいものですから、ぜひ覚えておいて下さい。(ちなみに、不況に関しては「輸出が減ると、不況が起こる」という仕組みもありますが、これについては今はとりあえず触れません。)

 「貯金しすぎると不況になる?変だなあ?」と思われると思います。生活実感からこれほどかけ離れた話はありません。

 しかし、失われた10年といわれるバブル崩壊の後の不景気が、長引いていた(私の地元では、まだまだ長引いていますが)最大の原因は、実は、銀行の不良債権でもなく、中国からの安い商品の輸出でもなく、この貯金のしすぎだろうと考えられます。では、その仕組みはどのようなものでしょうか。次回は、貯金のしすぎについてご説明します。


 

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