Top >  2.政治 >  死者は墓石で投票するか?

2006年01月15日

死者は墓石で投票するか?

 私は以前から、小泉首相が北朝鮮拉致問題、イラクへの自衛隊派遣問題で、人命や人権を軽んじて、すべてを自分の政権の人気取りに使ってきていることを批判してきました。

 ところが、こともあろうことか皇位継承の問題までも、政権浮揚の手段にしようとしていることには驚きとともに怒りを感じます。

『或るとき、小泉首相は伝統に従い三権の長、閣僚らと共に回廊に控えていた。席からは、奥の様子を窺い知ることは出来ない。やがて、首相は宮内庁長官に、陛下は一体どんなことをなさっているのかと尋ねた。祭祀は祖先神への祈りであり、感謝であり、それを陛下がどのように行われるのか、知る由はない旨長官は答えた。すると、首相が厳しい表情で呟いたという。「改革だ」と。回廊を充たす静寂をわずかに震わせた首相の呟きが、いまや、有識者会議の報告書となり、皇室の在り方を根本的に変えようとしているのだ。』 櫻井よしこ「小泉首相の無関心が招いた『女帝論議』の誤り」

 皇位継承については、特に知見もないことから発言は差し控えてきましたが、短期間の審議会での議論で結論を出し、その結論を「愛子様が皇位につけなくてかわいそう」、「天皇が男性でなければならないのは女性差別」といった、それ自体は反対できないのですが、悪用されやすい議論にのせ、単純化した命題で、世論を誘導しながら、無理矢理通そうとする。これは、郵政民営化法案を、国民の間の公務員バッシングを利用して総選挙に勝利し、成立させたのと全く同じやり方です。小泉総理の脳裏にあるのは自分の政権の支持率だけです。
 
 しかも、今回彼が政権浮揚に利用しようとしているのは、皇室です。とうとうここまできてしまいました。

『歴史・伝統を踏まえるという点について、座長を務めた吉川氏は報告書提出にあたって、「歴史観や国家観で案を作ったのではない」と記者団に述べた。』

 いったいどうなってしまっているのでしょうか?思想家のチェスタトンの言葉に「死者は墓石で投票する」という言葉があります。私の好きな言葉ですが、死者の意志とは、つまり我々の先祖が、命がけで守ってきた歴史や伝統のことでしょう。生きているものの投票行動もプロパガンダでねじ曲げてしまう首相のことですから、死者の意志などは何とでもないことなのでしょう。いつものように「改革だ」のひとことで吹き飛ばせると思っているのでしょう。

 いったい彼はウヨクなのでしょうか、サヨクなのでしょうか?もはや小泉首相の暴走には、自民党内からもストップは掛からなくなってしまったのでしょうか。政治家の失脚は得意の絶頂期にその種が仕込まれます。もっと別なところ、小泉首相が無視している世論や歴史のダイナミズムといったようなところから、後になって強烈なしっぺがえしを喰らうのではないかと漠然と感じます。それがいつなのかはわかりませんが、日本全体を道連れにして政治家生命を終えることだけは勘弁していただきたいと強く思います。


 

↓人気ブログランキング↓に参加しています。↓応援のクリック、お願いします。↓
にほんブログ村 政治ブログへ    


↓メールマガジンも発行しています。どうかお読みください↓

メルマガ登録・解除 ID: 0000266094
『金子洋一「エコノミスト・ブログ」』
   
powered by



リフレ政策を発動せよ

 <  前の記事 三重県内、平成の大合併の一覧  |  トップページ  |  次の記事 民主党政治スクール受講者募集中!  > 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://guts-kaneko.com/x/mt/mt-tb.cgi/50

この一覧は、次のエントリーを参照しています: 死者は墓石で投票するか?:

» 小泉総理の皇室に対する態度について 送信元 民主党三重5区 金子洋一 政治経済ブログ
 先日のエントリー『親王ご誕生!』に対して多くのコメントをいただきました。大変に... [詳しくはこちら]

» 小泉総理の皇室に対する態度について 送信元 民主党三重5区 金子洋一
 先日のエントリー『親王ご誕生!』に対して多くのコメントをい... [詳しくはこちら]

         


このページについて

このページは「金子洋一「エコノミスト・ブログ」」の記事のひとつです。

他にも多くの記事があります。トップページサイトマップもご覧ください。

金子洋一プロフィール


現在、民主党参議院議員(神奈川県選出)、生活支援カウンセリング協会理事長。

これまでに、経済企画庁(現・内閣府)
OECD科学技術産業局エコノミスト
青山学院大学大学院国際マネジメント研究科兼任講師などを経る。

専門は、マクロ経済(景気)と消費者問題。詳細なプロフィールはこちら

 なお、このブログの記事内で意見にわたる部分は、私の個人的見解です。いただいたメッセージは私本人が必ず読ませていただき、今後の政策作りの参考にさせていただきます。直接ご返事を差し上げる場合もありますので、できればお名前とメールアドレスをお書きください。

ツイッター Twitter
ちょっとだけ注目記事
過去の月別エントリー
キャンペーン

リフレ政策を発動せよ

にほんブログ村 政治ブログへ

奉祝 親王殿下御生誕

北朝鮮による拉致に抗議します
金子洋一に連絡する

金子洋一メールアドレスはパソコンでご覧になれます

金子洋一へメールを送る