私は経済企画庁(今の内閣府)を昨年退職して衆議院選挙に立候補したのですが、10年以上昔に物価調整課という課で勤務していました。各省庁が持つ公共料金(高速道路料金、電気、ガス、電話代など)を査定して折衝して決めることが仕事の内容でした。その中でも特に、建設省と厚生省の案件を担当していました。
それぞれの役所にはそれぞれの流儀があって色々な意味で興味深かったのですが、特にこの二つの省庁の計算方法は「独自」でした。今回は厚生省の方だけについて書き込もうと思います。
さて、今回の年金の議論で問題になっている点の一つに「厚生省の人口予測は常にはずれ続けている。」という点があります。
簡単にいえば、今年一年に現役の世代が出した年金の掛け金を、年金として直ちに既に退職した人に分けるというのが、現在の年金の仕組みです。
ですから例えば20年先の現役の世代が納める年金の掛け金と、退職している世代がもらえる年金の金額のバランスは、20年先の人口の構成、高齢者と現役の世代の人口の比率にまず左右されます。その人口の構成を推定するのが厚生省や社会保険庁の仕事だったのですが、その信頼性はどんなものであったのか。
私が接触したさほど広くはない範囲に限定した話ですが、経済企画庁以外の省庁のお役人は「この予測は常にはずれる」、「はずれるのは当たり前だ」という感じでこの人口予測を取り扱っていました。はずれる理由が木村剛さんのブログでいうところのY氏という特定の人物が原因であるかどうかは全く情報がないのでわかりませんが、霞ヶ関の中でも信頼が置かれていなかったというのが少なくとも私の印象でした。ではなぜこの予測が信頼されていなかったのか、その理由は私にはなんとなくわかる気がしますが、まだ断定は避けさせてください。
取りとめもなく、ざっと書き連ねましたが、年金問題がまだ注目を浴びる前の霞ヶ関の雰囲気を伝えるひとつの歴史的証言(というと大げさですが)としてあくまでも参考までに聞いておいていただければありがたいです。くりおねさんのブログの中の『年金問題と「情報公開」とブロガーたち』という記事に触発されてちょっと書いてみました。






